eスポーツ賞金が500万円から10万円相当に“大幅減額” SNSなどで失望の声が広がる

記事まとめ

  • 「東京ゲームショウ」で対戦格闘ゲーム「ストリートファイター∨」の大会が開かれた
  • 優勝賞金は500万円だったが、優勝者が受け取った額は6万円200円だったことを明かした
  • プロライセンスを保有していない場合は「賞金の最高額は10万円」と定められているため

eスポーツ賞金が500万円→10万円相当 ファンに広がる失望

 ブームはカネの問題でしぼむのか。ビデオゲームの腕を競う「eスポーツ」が賞金の“大幅減額”をめぐり揺れている。7月には米ニューヨークで行われた大会で16歳の少年が300万ドル(約3億2600万円)を手にした。日本と海外との差は広がるばかりだ。

■“減額”はルール通り、だが…

 国内最大規模のゲームの見本市「東京ゲームショウ」(12〜15日、千葉県美浜区の幕張メッセ)で15日、対戦格闘ゲーム「ストリートファイター∨」(カプコン)の大会が開かれた。参加人数は約1000人、優勝賞金は500万円。だが大会後、優勝した男性プレーヤー「ももち」さんは、実際に受け取った額が、景品表示法で定められた10万円から副賞のモニターの価格を差し引いた6万円200円だったことを明かした。

 大会規約では、日本eスポーツ連合(JeSU)が発行するプロライセンスを保有していない場合は順位に関わらず「賞金の最高額は10万円」と定められているためだ。

 正式発足前のJeSUがプロライセンスとプロゲーマーを制度化する方針を発表した2017年、既にトッププレーヤーとして活躍していたももちさんは「なぜ新設される予定の特定の団体に“プロを定義”する資格があるのか」とブログで疑問を呈し、ライセンスを取得していなかった。規約通りとはいえ、選手ファーストからかけ離れた事態にSNSなどで失望の声が広がった。

 JeSUは11日、プロライセンスの有無に関わらず、興行性のある大会で好成績を収めた人などが「仕事の報酬」として受け取る賞金には、景表法の「上限10万円」が適用されないことを消費者庁に確認したと報告している。ライセンスを持たない人は高額賞金を受け取れない、という従来の考え方を転換する良い機会だったが、結果的に、業界団体の方針よりも個別の大会の規約が優先された格好になり、ライセンスの意義を問う声も出ている。

 また、14日には東京ゲームショウで行われたスマートフォンゲーム「パズル&ドラゴンズ」(ガンホー・オンライン・エンターテイメント)の大会で、JeSUのジュニアライセンスを持つ中学生が優勝したが、同ライセンスの保持者は「予め賞金(報酬)を受領する権利を放棄する」という規約のために賞金500万円を獲得できなかった。eスポーツで収入を得ている大人とは事情が違うため、こちらは大きな問題に発展していない。

 高額賞金を掲げながら、図らずも羊頭狗肉になっている国内のスポーツ大会。先月、中国で行われた別のゲームの大会では、優勝チームが約1560万ドル(約16億8300万円)を獲得して大きな話題を呼んだ。日本でも現行法に則り、優勝賞金が1億円を超える大会も開催されている。成長が期待される分野なだけに、ファンの「呆れ」が「諦め」に変わる前に手を打つ必要があるが、マイナスイメージを拭うのは簡単ではない。

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