【東銀座・ナイルレストラン】岩井ジョニ男が思い出す師匠とのカレーの思い出

■自分をよく見せようとするのは最低

親父は大きな会社に勤める真面目なサラリーマンでした。

みんなで正座してご飯を食べるような厳格な家庭でね。テレビを見ても笑わない父親がある日、ブラウン管の中の芸人を見て「これでメシが食えるんだからいいよな」って言ったんです。

小学生だった自分は「これが、この人たちの仕事なのか!」と雷に打たれたような衝撃を受けました。

どう考えても、そっちのほうが楽しそうじゃないですか。

今の妻と駆け落ち同然で家出したのが19歳。いろいろなバイト生活をしばらく続けたのちに、大好きだったタモリさんの弟子になりたくて家に押しかけました。

25歳から4年半、付き人をやりました。タモリさんは優しいから、僕の運転で家に帰ると「飲むか」と。時には手料理を振る舞ってくれることもありました。

タモリさんは、自分をよく見せようとする行為を嫌う人です。他人によく思われようとするのが「一番醜い行為」 だと繰り返し言われました。

でも、若いころって人の評価を気にするし、自分をよく見せたいものじゃないですか。褒められたのはたった1度だけ。

その日はひどい二日酔いで全くやる気がなくて、その脱力加減が逆に良かったのかもしれません。

ひどく怒られたこともあります。

収録後に銀座の「ナイルレストラン」に食事に行ったら、『笑っていいとも!』のプロデューサーが「ちょっとネタ見せてよ」と珍しく声をかけてくれたんです。でも、緊張してどれを見せようかと悩んでいるうちに、注文したムルギーランチが届いてしまったんですね。

ネタ見せは、なんとなく流れてしまいました。その帰りの車で、タモリさんに烈火のごとく怒られたことは一生忘れないでしょう。

「どんな料理も冷めたらまずいんだ。 誰もお前にうまい料理は期待してない。だったらせめてすぐに出せ」

ムルギーランチを食べると今もあの日のこと思い出します。

僕の何度スベッても立ち向かう芸風の原点はここにあるんです。

※本記事は『週刊実話』(?日本ジャーナル出版)に掲載された内容を転載編集したものです。

<店舗情報>
■ナイルレストラン
住所:東京都中央区銀座 4-10-7
電話:03-3541-8246
休み:火曜
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。来店前にご確認ください。

■プロフィール

岩井 ジョニ男(いわい じょにお)

生年月日非公表。千葉県出身。幼少期よりお笑い芸人を志し、25歳でタモリの家に連日押しかけ、最後は根負けしたタモリになんとか弟子入り。付き人として4年半を過ごしたのち、浅井企画に所属しイワイガワを結成。昭和レトロなキャラでギャグを連発するスタイルでブレイク。

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