女性満足度随一! あの「ドーミーイン」系列の和風プレミアムホテルがすごかった!!

■ドーミーインが牽引するビジネスホテル新時代

長引くコロナ禍のせいで、旅行をしなくなって随分経つ。今年の夏以降は徐々に地方に出張をする機会が戻ってきたものの、県をまたいでの移動には依然として厳しい目もあって、かつてのように気ままに名所に寄って観光することも控えるようになってしまった。

そんなわけで、毎回仕事が終わったら、どこにも寄らず、すぐに東京に帰っていたのだが、全国の感染者が徐々に減ってきた頃、輪島に出張する機会があり、編集部から「せっかくなので帰りに金沢に寄ってゆっくりしてください」という夢のようなオファーをいただいた。久々に旅の情緒を味わえることになったのだ。

訪れたのは今年の4月にオープンしたばかりの『天然温泉 加賀の宝泉 御宿 野乃金沢』。全国にチェーン展開するビジネスホテル『ドーミーイン』系列の和風プレミアムホテルである。

▲ドーミーインの和風旅館『御宿 野乃金沢』。近江市場が近く、兼六園も徒歩圏内と好立地

「ドーミーイン」は、数あるビジネスホテルのなかでも設備やサービスの良さからファンが多いことで知られ、熱心なファンは「ドミニスタ」と呼ばれているそう。

『御宿 野乃金沢』は、ドーミーインが長年培ってきた「もてなしのノウハウ」を活かしつつ、それをさらにアップグレードさせた旅館だという。

チェックインのために館内に入ろうとすると、上がり框(かまち)があることに気がつく。

この宿は全館畳敷きなので、靴を脱ぎ、それを銭湯のようなロッカー型の靴箱に入れて、館内を靴下ないしは館内履きで歩くのである。清潔で良いし、外国から来たお客さんにとっては新鮮な体験でもあるだろう。

▲全館畳敷きのため、入り口で靴を脱ぎロッカーに入れる

部屋は「モデレートダブルルーム」。部屋の床も琉球畳で、直に感じる畳の感触が気持ちいい。

続いてテーブルを見ると何やらメッセージが。なんと「ウェルカムフルーツ」が冷蔵庫に置いてあるという。ウェルカムフルーツは海外のホテルではよくあるサービスだが、日本の、しかもビジネスホテル級の宿で、このサービスを受けたことは初めてである。

さらに言うと、海外のホテルではリンゴもブドウもそのままコンポートに盛ってあることが多いのだが、ここのは食べやすいカットフルーツ! ありがたく、美味しくいただいた。

▲いきなりサプライズのウェルカムフルーツに感激

部屋の“しつらい”に目を向けてみる。畳の部屋ではあるが、ベッドがあり、ベンチがある。インテリアは和風だけれど、仕様は洋風。いわゆる「和モダン」だ。

和のテイストは小物にも及んでおり、TVとエアコンのリモコンが綺麗な和紙を貼った文庫に入れてあることにもシビれた。ベッドの枕元にあるお手玉の形をしたクッションもカワイイ。

▲ベッドの横には適度な高さの畳ベンチがあり、楽な姿勢でくつろげる

▲文庫ケースの中には行方不明になりがちなリモコンが。細やかな配慮が心憎い

■天然温泉の大浴場で感じた数々のこだわり

17時過ぎになり、まずはこの宿最大の魅力である天然温泉の「大浴場」に向かった。13階の浴場入り口には女湯に限りキーロックがあり、暗証番号を押さないと扉が開かないようになっている。大浴場は真夜中や早朝でも入ることができるので、人気(ひとけ)のない時間にこうしたセキュリティがあるのは心強い。

ちなみに、大浴場と食事処の混雑状況は部屋のTVに表示されるので、空いている時間帯を狙って行くことができる。

かけ湯をして、まずはサウナにイン。ドーミーイン・チェーンの中でも最大級という広い内部は白木のいい香りが漂い、快適な居心地。カラッとした暑さに流れ出す汗、一日の疲れがたちどころに取れる気がする。

扉を開けて外に出ると「壺風呂」という陶器の壺を浴槽にしたものや、岩で囲まれた「露天風呂」もあり、開放的な雰囲気を味わうことができる。特に露天風呂の気持ち良さは格別。

ビルの中にもかかわらず、上を見上げれば金沢の空が見える。この日はあいにく曇りで星は見えなかったが、しばし時間を忘れてリラックスすることができた。

▲チェーン最大級の広さを誇るサウナ (ドーミーイン提供)

▲地上14階にある露天風呂 (ドーミーイン提供)

髪の毛を洗おうと洗い場に戻ると、入り口にバスケットに入ったボトルが並んでいるコーナーがあった。ここでは「シャンプーバー」と称して、ワンランク上のシャンプーを、DHC、クラシエ、ジュレームというメーカーから選ぶことができるのだ。

ちなみに、備え付けのシャンプー&コンディショナーはPOLAと、こちらもハイクオリティ。私はDHCの「オリーブゴールドシャンプー」を選んで洗髪したが、いかにも良いシャンプーらしい上質の香りに気分は上々。

そして、泡を流す際にさらにうれしかったのは、シャワーの水圧が高く、体への水当たりが最高に心地良いこと。リファというメーカーのシャワーヘッドだそうで、水を微細な泡にして出しているため、頭皮や肌の潤いを保ったまま洗浄することができるのだそうだ。美容に意識の高い人たちのあいだでは「肌を美しくするシャワーヘッド」として激オシされているらしいが、納得である。

▲上質なシャンプーを選んで使える「シャンプーバー」 (ドーミーイン提供)

髪を乾かすドライヤーもリファ製のものを使わせてもらったが、こちらも申し分のない風量で、すぐ乾くし、髪がしっとりまとまり、使用感は抜群だった。

(※女性大浴場には「シャンプーバー」と「リファ製ドライヤー」、男性大浴場には「ダイソン製のドライヤー」がそれぞれ備え付けられている)

シャワーヘッドやドライヤーなど備品の性能がいいと、ホテル滞在はとても楽しくなる。本来の旅行は「非日常」を楽しむものだが、とくにコロナ禍で家にいる時間が多い最近では、毎日使う道具は吟味するし、それなりにお金もかけるようになった。

だからこそ、旅先で自分の家で使っているものより性能が悪いものにあたると、テンションがガタ落ちしてしまうのだ。その点、ドーミーインの備品はどれもこちらの期待を上回り、使うたびにそこに込められた気遣いがわかるため、ホテルへの滞在そのものがエンターテインメントなのだという気分になってくる。

大満足でお風呂を出ると、またびっくり。なんと「湯上りサービス」としてアイスクリームを用意してくれており、備え付けのクーラーボックスからどれでも好きなものを取って食べることができるのだ(昼間は乳酸菌飲料のサービス)。

その隣には、漫画がぎっしり詰まった棚と閲覧コーナーがあって、ちょっとした漫画喫茶のようになっている。読みたい漫画があれば部屋に持っていって読むことも可能。旅行中は夜の時間を持て余してしまいがちだが、こんなサービスがあれば退屈せずに済むだろう。小さな子ども用に絵本がちゃんと用意されているのもいい。

▲湯上りサービスのアイスクリーム。自由に好きなものを取ることができる

また、個人的にうれしかったのは、ドーミーインにはタオル専用のハンガーが各室に備え付けられていること。

ビジネスホテルに限らず、大抵のホテルには使ったバスタオルをかける場所がないことが多い。バスルームのドアにあるフックに引っ掛けるか、フックがなければクローゼットのハンガーを使うか、あるいはそのまま椅子の背にかけて乾かすしかないわけだが、いずれも気持ちよく乾いた試しがない。

でもドーミーインにはちゃんとタオル専用のハンガーがある! 長期滞在者のニーズを考えて備え付けたそうだが、こんな細かいところまで配慮されているなんて……いやはやまったく、ドーミーインのサービスに死角はないのだろうか。

▲各室にタオルハンガーが備え付けられているのも最高

■「どこまで尽くせるのか」を常に考えています

「かゆいところに手がとどく」という言葉があるが、ドーミーインのもてなしは「かゆいところを掻いてくれ、そのうえに保湿クリームまで塗ってくれる」ような、細やかで丁寧なものだ。

小さな子ども連れのファミリーに、従業員が付き添ってサポートしている場面などはもちろんだが、全館に敷かれた畳に髪の毛一本落ちていないところや、綺麗に整頓された漫画本や、種類も量も充分に用意されたアイスクリームなど、人がいないところにも「人の努力の気配」を感じる。

そこで、副支配人の篠崎稜汰さんに話を聞いてみた。

「さまざまなサービスももちろんなのですが、ご満足いただいてる理由はお客様との接し方にもあると考えております。一人一人のご要望にお応えするために、とにかく話を聞くことですね。私たちが一人のお客様に費やす時間は、他のビジネスホテルとは圧倒的に異なります。お客様の滞在の楽しさが、自分の対応一つで変わってしまうというのは責任も大きいですが、やりがいを感じます。どこまで尽くせるのか、ということを常に考えていますね」

篠崎さんは、さらっとおっしゃるが「どこまで尽くせるのか」って、すごい言葉である。

「当館には『こう言われたときは、こう言いなさい』とか『こうするんだよ』というような決まりは一切ないんです。毎日“作業”ではなく、違う場面の連続ですので。ですから、正解はなくて、その都度その都度、その場で考えて自分がどうしたいか、自分だったらどうして欲しいか、ということを考えるように伝えています」

そう言って微笑む姿は、自分の仕事への矜持にあふれていた。別れ際には「名物の夜鳴きそばも、ぜひ召し上がってくださいね」と言ってくださった。

▲一人一人の客に「どれだけ尽くせるか」と語ってくれた篠崎副支配人

「夜鳴きそば」は、毎日21:30から23:00まで、無料で食べられるドーミーインの名物。テイクアウトもできるので、部屋に持って帰っていただく。あっさりした醤油味の鶏ガラベースのスープが、この時間には優しく、量も夜食にちょうど良い。

▲ドーミーイン名物の「夜鳴きそば」。あっさりしたスープが美味しい

その後、2時間ほど仕事をして就寝したのだが、このベッドがまた最高だった。最初はフワフワしていると感じたのだが、横たわっているうちに適度な固さが背中と腰をしっかり支えてくれることに気がつく。とても好みのタイプの寝心地で、旅先でこんなに熟睡したことはない、というくらいぐっすり眠った。

あとで聞いたら、アメリカのサータ社というメーカーのベッドだそう。リッツ・カールトンやハイアットなどでも使われているのと同じものが入っていることに驚いた。通常のベッドよりも低いのは、子どもが落ちても怪我しないようにという配慮だそうだ。気遣いパーフェクト!

■女性にうれしい“少しずついろいろ”食べられる朝食

そして翌朝。篠崎さんが「当ホテルの自慢です」と話していた朝食は、その自信に違わず素晴らしいものだった。

ドーミーインの朝食は、およそ50種類のメニューを選べるバイキング形式(現状は感染対策のためポリエチレンの手袋を要着用)。目玉は「海鮮丼」で、酢飯と普通のご飯の2種から選べるのもうれしい。私は酢飯をチョイスして、上に甘エビとブリ、ズワイガニのほぐし身をのせた。好物のイクラはちょっと多めに盛ったが、それもバイキングの醍醐味。

それにしても。寝起きの頭には酷なほど選択肢が多い。小鉢のバラエティも豊富でどれを取ろうか迷うほどだ。私は食が細めなので“少しずついろいろ”食べられるというのに目がないのだが、ここはまさに理想の朝食と言える。

「たこの柔らか煮」には、ちゃんと彩りの枝豆ものっていて見た目もきれい。目移りしながら「温泉卵」と「甘海老の昆布和え」も合わせて取った。パン食派にはスモークサーモンやパストラミビーフなどの前菜も置いてある。

▲自慢の朝食は、具をのせ放題の海鮮丼、加賀野菜、揚げたての天ぷらなど50種類から選べる

サラダは“地物”の加賀野菜をふんだんに使ったもので、こちらもたっぷり用意されている。

卵料理を目の前で作ってくれるホテルは多いが、朝イチから揚げたての天ぷらを食べさせてくれるところはそうそうないだろう。海老と蓮根、そして能登豚をいただいた。みずみずしさを残した蓮根は天ぷらにすることによって甘みが増して最高。能登豚も旨味が濃く、実に味わい深かった。

しかし、朝からこれだけのものを出すのは大変なことだろう。一つ一つのクオリティが高いので、コストもかかりそうだ。

篠崎さんは「たしかに、コストの高さは問題になっているほどなんです(笑)。ですが、お客様にはいいものを召し上がっていただきたいですし、何より“食は生活の源”ですので、そこは妥協してはいけないなと。そのため食数の予測をしっかりすることで適切な量を提供し、廃棄を少なくするよう気をつけています」と話していた。ハイクオリティのサービスは、地道な努力の積み重ねで支えられている。

ホテル滞在そのものを楽しめるドーミーインのもてなしに、すっかり魅了されてしまった私。今度は家族旅行で泊まる宿にしたいと、帰宅してから家族に撮影した館内の写真を見せ、家庭内プレゼン。朝食の写真は旅好きの友人にも送った。もしかしたら、私も既に「ドミニスタ」の仲間入りをしたかもしれない。

関連記事(外部サイト)