「ネコとの“遊び”は本気でやろう」専門医からのアドバイス

ネコたちの本音を専門家が解説 「遊びは本気で」「膝に乗ったら最低10分そのままで」

記事まとめ

  • ネコが膝の上に乗ってきたら、最低10分はそのままにしてあげた方が良いそう
  • じゃらし系おもちゃでネコが喜ぶのは、狩りの興奮を疑似体験できるからとのこと
  • おもちゃは適当に振り回さず、本気で狩りごっこに付き合ってあげることが大事だという

「ネコとの“遊び”は本気でやろう」専門医からのアドバイス

愛くるしく甘えてきたかと思えば、素っ気ないツンデレ気質がたまらない"ネコ"という生き物。従順ではないけれど、触れ合うことで日常の一服の清涼剤となる存在ですよね。いまだに続くコロナの影響で、おうち時間が増えて触れ合う機会も多くなり、その存在感は更に大きなものになっているのではないでしょうか。そんな今だからこそ、もっとネコのことを知ってみませんか? 専門医・服部幸氏に、飼い主たちがあまり知らないネコたちの"本音"を聞いてみました。

※本記事は、服部幸:著『もっと! ネコにウケる』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

■ごはんは好きなとき何度でも食べたい

ネコは、人間のように決まった時間に食事をするという習慣はありません。

飼い主さんが用意してくれる食事以外にも、好きなときに食べたいし、食べたいときにいつでも食べものがあるのが理想で、本音では「何度でも食べたい」のです。

野生動物の食事の時間というのは不規則です。肉食動物なら獲物がとれるかどうかで左右され、1日に4〜5回食べるときもあれば、何日も獲物を口にできず空腹に耐えなければならないときもあります。ネコの先祖も、そうした生活をしていました。

飼いネコの場合、食事の用意は人の役目で、成ネコなら朝・夕の2回ごはんを用意してあげるのが基本です。黙っていても朝晩、ちゃんとごはんが出てくるのですから、常に食糧を探さなければならない野生の暮らしや、野良ネコに比べたら天国のようなものでしょう。

でも、ネコは規則正しい食事を望んでいるわけではなく、本当は「好きなときにいつでも食べられる」のがいいのです。1日2回か3回という食事の時間は、人間の都合でとりあえず設定されているだけで、ネコの本音としては、何時であろうと「食べたいとき」が食事の時間なのです。

だから、食事スペースにふらっとやって来て、お皿が空っぽだったりすると、飼い主さんを振り返って「なぜカラなの?」という目で訴えたりします。たとえ、つい1時間前にお皿いっぱいのフードを平らげていたとしても、ネコには関係ないんですね。

▲ごはんは好きなとき何度でも食べたい! イメージ:PIXTA

食べたいときに何度でも食べたい、という欲求に応えてあげるには、ドライフードを常に少量お皿に入れておくか、1回の食事の分量を少なくして、日に何回か小分けにして与える方法があります。

その際、1日のトータルの食事の分量を決めたらそれを厳守し、オーバーしないように注意することが大事です。よく食べるからと、好きなだけ与えてしまうと肥満につながってしまいます。

ネコの「ちょっと食べたい」欲求に応えるために、ペットフードメーカーから手軽なおやつも市販されています。もっとちょうだいとおねだりされることも多いですが、少量だけ与えるのがコツ。食事の主体はあくまで総合栄養食を中心としたフードで、おやつは副食です。与える場合は1日の食事量全体の1割以内に抑えてくださいね。

■膝に乗ったら最低10分はそのままで

ネコ好きな人は、ネコが自分の膝の上に乗ってきただけで、幸せな気分になってしまうことも多いでしょう。ただ困るのは、膝の上でネコにくつろがれてしまうと、その姿勢のまま何もできなくなってしまうことです。

ネコがやってくるのは、人がソファで本を読んでいるときや、お茶でも飲みながらテレビを見ているとき、机で書きものをしているときなど……。

「あったかくて弾力のある膝が空いている」と見るや、ネコはこちらの都合など気にもせずにトンッと乗ってきて、足場を決めたら丸くうずくまります。両足をお腹の下にたたんで、いわゆる「香箱を作る」という座り方です。

間もなく、グルグルとのどを鳴らす音が膝を伝って響いてきます。膝の上でしっかりくつろぎ始めたシグナルです。人間側からすると、自分ものんびり過ごしているときであれば、膝に乗ってこられても平気です。むしろ歓迎ですよね。

しかし、なぜかたいていの場合「今ここで、くつろがれると困るのになあ……」という状況のときが多い、という気がしませんか?

そろそろ出かけなくては待ち合わせに遅れるとか、買い物に行かなきゃならないとか、美容院の予約の時間が迫っているとか……。どうもそういうときに限って、ネコが乗ってくるのです。

▲膝に乗ったら最低10分はそのままにして欲しい イメージ:PIXTA

愛猫家の哀しい習性で、自分の膝の上でネコがリラックスしていたら、そのままそっとしておきたくなります。膝の上で落ち着いたばかりなのに、その体をどかして次の行動をとるなんて簡単にはできませんよね。

長年一緒に暮らしているネコでも、人間側にはつい「そんなことをしたらかわいそう」とか「嫌われちゃうんじゃないか」という心理が働いてしまうのです。

でも人には、やらなくてはいけないことがたくさんあります。残念ながら、ネコと違って時間に追われて暮らしているわけですから、やむなく、ネコの体をそうっと膝から下ろし、立ち上がることになります。

下ろされたネコは、ちらっとこちらを向いて「ああ、行っちゃうんだ」という顔をしますね。ただし、そこに非難めいたものはなく「人間ってしょうがないニャア」というクールな表情を変えないのは、さすがネコです。

でも愛猫家の皆さんは、きっとご存じでしょうね。ネコも心の中では「膝に乗ったら、せめて10分くらいはじっとしていてよ」と本音をつぶやいていることを。

ネコにウケる、つまりネコが本当に喜ぶ暮らしを実現するには、人もゆったり、のんびりと、心に余裕をもった生活を送ることが肝心なのだと思います。

■遊ぶときは本気で一緒に狩りごっこしよう

ネコは狩猟本能を持つ肉食動物です。生きるためには動物性タンパク質が必要、だから子ネコのときから「動くもの」に対して非常に敏感です。

動くものはイコール動物性タンパク質で、自分の食糧となることが本能としてインプットされています。それゆえ動くものには反応せずにはいられず、反射的に捕まえようという行動に出るのです。

子ネコのうちは親兄弟との遊びの中で、動くものを捕まえたり、逃げられたりしながら狩りの技術を少しずつ身につけていきます。同時に足腰も鍛えられ、狩りに必要な動きや俊敏性を身につけ、狩猟本能は研ぎ澄まされていきます。

そうしてハンターとして鍛えられていくのに、生後数か月で人の飼いネコになると、食事はふんだんに与えられ、狩りの機会はなかなかやってこないわけです。

生まれて半年〜8か月も経てば、ネコはハンターとしてひとり立ちできる時期で、野生では親を離れて独立する頃合いです。のんびり平和な飼いネコ暮らしの中で、この狩りの衝動をどうしたらいいのでしょうか?

そこで大事になるのが、飼い主さんが協力して「遊ぶ」ことです。

「ネコは寝るのと遊ぶのが仕事」といわれますが、これはあながち冗談ではなく「遊び」は、狩猟本能による狩りへの衝動を「狩り」の代わりに刺激して、満足させるために重要なことなのです。子ネコのうちはもちろん、1〜2才くらいまでは毎日しっかり時間をとって一緒に遊んであげることが大事で、大人になってからも老いの兆しが見え始める10才くらいまでは、まめに遊んであげてください。

ネコも年をとってくると、こちらから遊びに誘ってもノリが悪くなってきますが、それよりも問題なのは、飼い主さんが遊びに手を抜いてしまうことです。

ネズミのおもちゃや、じゃらし系おもちゃでネコが喜ぶのは、獲物を狙う狩りの興奮を疑似体験できるからで、飼い主さんがおもちゃを巧みに操作してリアルに刺激してこそ、ネコは興奮しドキドキし、"狩りごっこ"を楽しむことができるのです。

それを、じゃらし系おもちゃやヒモの付いた人形を適当にその場で振り回して終わるようだと、ネコはドキドキの興奮も、狩りの達成の快感も味わえません。せっかくの遊びの時間にそんなことが続くと「たまにはちゃんとマジメに遊んでよ」という、本音が炸裂することでしょう。

▲遊ぶときは本気で一緒に狩りごっこしよう イメージ:PIXTA

長い時間遊ぶ必要はないのです。ネコもそう長くは集中力が続きません。5分〜15分、週に数回でいいので、ぜひネコにウケるやり方で一緒に遊んであげてください。

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