185万円のふるさと納税返礼品 見た目に「夜見たらビビる」「ネタかと思ったら…」

・ネタっぽいけど、かなり高性能っぽい。

・やばい…。ちょっと欲しくなった。

・夜、山に登りに行った時に見つけたらビビりそう。

特定の地域に寄付をすると、返礼品がもらえる制度の『ふるさと納税』。

各自治体が食品やお酒などを贈る中、北海道奈井江町の返礼品が、冒頭のように話題を呼んでいます。

返礼品の名前は、『究極の野生動物忌避装置「モンスターウルフ」(以下、モンスターウルフ)』。おどろおどろしい印象を受ける名前ですが、どのようなものなのでしょうか。

■野生動物を威かくし農作物を守る『モンスターウルフ』

モンスターウルフは、同町に185万円を寄付するともらえる返礼品です。

『LED(発光ダイオード)』で作られた目や前脚のライトが点滅したり、オオカミの鳴き声が流れたりして、農作物に被害をもたらす野生動物を威嚇(いかく)。

モンスターウルフによって、動物から農作物を守ることができます。

体毛はオオカミそっくりですが、コートなどに用いられている、いわば『フェイクファー』です。

首が動くようになっており、見た目や動きから、動物だけでなく人間も恐怖を抱いてしまいそうですよね。

また、人間の言葉を発して観光案内をするなど、面白い機能も備わっています。実際に動いている様子がこちらです。

■モンスターウルフの申し込み実績は?

ふるさと納税を担当している、奈井江町財政課に申し込み実績などを聞きました。

2020年7月に受付を開始し、2021年11月15日時点で、1件の申し込みがあったといいます。

高額なあまり、欲しくても申し込めない人が多いのかもしれませんね。

モンスターウルフを返礼品に選んだ理由は、強い独自性でした。同町は、このようにコメントしています。

町を広くPRでき、なおかつユーモアにあふれた魅力的な特産品であることから、返礼品として選定しました。

また、自治体が返礼品を選ぶ際に求める基準である『地産地消』に合致している点も、選んだ理由だとのこと。

モンスターウルフは、見た目のインパクトや機能などから、各自治体の返礼品には見られない独特性がありますよね。

■モンスターウルフ誕生秘話

モンスターウルフを開発した、同町にある株式会社太田精器の太田裕治社長に、開発の秘話を聞きました。

太田社長によると、2008年に開かれた、『第34回主要国首脳会議』である『洞爺湖サミット』が製造のきっかけだったといいます。

サミットが開催されていた当時、『省エネルギー(通称:省エネ)』が注目されていました。

その省エネの代表格であった、LEDを知り、独自開発を手掛けようと始めたのがきっかけです。

ちょうどその頃、地元では、シカなどによる農業への獣害が相次いでいました。

地元での獣害を知った太田社長は、「ものづくりの力で、助けになりたい」と考え始めたのだとか。

ある日、テレビを見ていた太田社長は、映像に映ったカメラのフラッシュを見て、「LEDが獣害対策に効果的なのでは」とひらめきます。

太田社長は、「嫌な光の再現が可能で、点滅しても球が切れない」という、LEDが持つ省電力と長寿命の特性に着目したのです。

以降、LED点滅のほかにも、野生動物の天敵だと思われるオオカミの鳴き声を内蔵するなどのバージョンアップを重ねることおよそ8年。

幾多の努力を積み重ねて完成したのが、モンスターウルフでした。完成まで、1千万円ほどの費用がかかったといいます。

ものづくりへの高い意識と、獣害被害をなくしたい一心があったからこそ、完成させることができたのでしょう。

■モンスターウルフの効果と評判は?

太田社長によると、2021年11月15日現在、全国で100台が設置されているとのこと。

各地で設置されている様子がこちらです。

兵庫県淡路島
北海道北見市
北海道美幌町
沖縄県石垣市

また、海外からも、問い合わせや申し込みも来ていることもあり、太田社長は「定評があるのでは」と自負しています。

設置後、「効果がまったくないではないか」というクレームは、幸いなことに1件もないのが自慢です。

特に、ふるさと納税の返礼品として購入した方は、モンスターウルフの効果をすぐに実感したのでしょう。

弊社に直接連絡して、追加で4台を購入していただきました。

努力が実り、完成したモンスターウルフ。

完成まで、年月とお金はかかったものの、獣害で頭を悩ませていた農家に希望の光をもたらしたことでしょう。


[文・構成/grape編集部]

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