【婚姻届に判を捺しただけですが 8話】進撃の高杉真宙と全てを語る目覚まし時計・ネタバレあり

Twitterやブログでドラマの感想をつづり人気を博している、あずきごはん(@komadorama)さんによる、新連載。

TBSで始まった2021年秋の新ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』の見どころを、あずきごはんさん独自の視点でご紹介します。

第8話では百瀬(坂口健太郎)と唯斗(高杉真宙)が急接近。それによって鈍感を極めていた百瀬にも変化が訪れる。

■百瀬のひと言で、家を飛び出す明葉

借金返済後も夫婦関係を続けていくことになった明葉と百瀬。

明葉は百瀬と両思いになれたと思って喜ぶ。借金の残高を表記していたホワイトボードに相合傘を書くなど、浮かれっぷりは留まるところを知らない。

しかし、百瀬の衝撃の一言によって百瀬家の空気はガラリと変化する。

「これからも僕たちは偽装の夫婦としてやっていくんですよね」

百瀬は、明葉の感情を『ラブ』ではなく『ライク』だと解釈していたのだ。

ハグ・キス・告白のコンボが全く響いていない様子にやるせなさを覚えた明葉は、たまらず家を飛び出す。

その後、新しい仕事が舞い込んだ明葉は会社に泊まり込むことに。

1人の食卓に寂しさを覚える百瀬の元に突然やってきたのは唯斗だった。

■恋敵である唯斗に助言を求める百瀬

「ルームメイトと喧嘩して家がなくなった」と言う唯斗に対し、百瀬はしばらく泊める代わりに明葉の気持ちを教えて欲しいと頼む。

全日本鈍感選手権の優勝候補である百瀬は唯斗の気持ちに気づいていない。

だからこそ明葉を『あっきー』と呼び、さらに『親友』を自称する唯斗を百瀬は頼るわけだが、実際は恋敵のようなもの。

教えるのを引き伸ばすために一流の詐欺師ばりの交渉術を仕掛ける唯斗と、見事に振り回される百瀬。

そんな中、百瀬の一言によって唯斗の意外な一面が紐解かれる。

「牧原(唯斗)くんは僕のこと嫌いですか?」

流石の百瀬も唯斗のあからさますぎる敵意には気づいていたようだ。

唯斗の百瀬に対する苛立ちの根源は、彼の家庭環境にあった。

唯斗の両親は世間体のために結婚した偽装夫婦のようなもの。割り切った関係性のはずであったが、一緒に暮らすうちに母親だけが情を抱くようになる。

夫婦間のギャップに苦しむ母を見てきた唯斗は、明葉を振り回すかのような百瀬の言動に憤りを感じていたのだ。

百瀬への悪感情と共に明葉への想いも吐き出し、笑顔で牽制する唯斗。黙って話を聞くことしかできない百瀬。

2人の間の空気はすこぶる悪く、観ているこっちが息苦しさを感じるようなものだった。

しかし、それもある2つの出来事によって変化していく。

■百瀬と唯斗の関係性を変えた2つの出来事

1つ目は唯斗の知り合いのペットが行方不明になる事件だ。

責任感を持ってペットを探す唯斗に感心する百瀬。一方で唯斗も、当たり前のように協力する百瀬に少しずつ心を開き始める。

2つ目は唯斗が元同居人と再会する場面。

百瀬と唯斗を含めた作中の男性陣が食事をしていると、そこに唯斗と同棲をしていたという女性が現れる。

獣医を目指して勉強する唯斗は金銭面の余裕がなく、様々な女性の家を転々としていたらしい。

明葉に対して本気になった唯斗は同棲を解消したがっているが、女性の方は納得していないという状況だった。

一方的に唯斗を罵る女性と黙りこむ唯斗。そこに割って入って異を唱えたのは、百瀬だった。

徹底した鈍感っぷりを見せつけてきた百瀬の唐突な『漢気』大放出。圧倒される視聴者と唯斗。

自分のことを嫌いだと公言している相手を大々的にかばうなんて、少年漫画の主人公のようなかっこよさだ。

「お礼とか言いませんから」「誰かに分かってもらおうなんて思ってないですから」と突き放そうとする唯斗。

そこにかつての自分を重ねた百瀬は、本音を語り始める。

百瀬の本音と優しさに心を動かされた唯斗は、明葉の気持ちを百瀬に教えるのであった。

■唯斗の成長が著しい『ハンオシ』第8話

今回の唯斗の行動は、恋愛ドラマの当て馬がよく行うものだ。

あれだけ敵意をむき出しにしてきた唯斗が、たった1話で当て馬ムーブを行うまでになったというのは大きな変化である。

その変化に違和感をあまり感じないのは、百瀬と唯斗の交流に長めの尺を取って、説得力のあるエピソードを重ねているからこそである。

また、唯斗が明葉の気持ちを教える際のセリフも秀逸だ。

「なんであっきー、6時50分に(目覚まし時計を)セットしてるんですかね。出勤時間遅いはずなのに、毎日こんな早く起きる必要ないでしょ?」

目覚まし時計の代わりに明葉が百瀬を起こす。

互いに干渉しないという契約だった2人が、初めて歩み寄った際にできた約束だ。

明葉はそれを守るため、百瀬を起こす時間の10分前に目覚まし時計をセットしていたのだ。

夫婦の絆を象徴するアイテムが明葉の気持ちを表しており、恋敵の後押しによって百瀬がようやくそこに気づく。

なんともエモい展開だ。

このセリフからは『目覚ましの設定時間』という細かいことにすぐ気がつける唯斗の性格も読み取れるようになっている。

唯斗のおかげでようやく話がまとまる…と思いきや、百瀬は最後に大きな爆弾を投下した。

「今すぐ僕と離婚してください」

第8話では明葉と距離を置いて唯斗と対話することで、自分と明葉の気持ちに向き合っていく百瀬の様子が描かれた。

せっかく唯斗が譲歩したのに、それを無駄にするかのように離婚話を蒸し返した百瀬。彼は一体何を考えているのだろうか…。

婚姻届に判を捺しただけですが/TBS系で毎週火曜・夜10時〜放送

過去の『婚姻届に判を捺しただけですが』ドラマコラムはコチラから


[文・構成/grape編集部]

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