お正月に今年の初雪 『白魔』になる雪は、ご遠慮願いたいもの

こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。

ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言ひとりごと』にお付き合いください。

■お正月の初雪

令和4年新年のまだ松の内、6日に、今年の初雪が東京地方に降りました。その初雪を窓越しに眺めながら、今回のペンを執りました。

音もなく降り積もる雪をボヤっと見ている内に、庭の緑があっという間に白くなり、階下に見える歩道も白っぽくなりました。

郵便物を取りに行くのを忘れていましたので、勝手口の外階段を10段降りて、郵便箱の裏から年賀状を含めた郵便物を、ガサゴソ集めている内に、頭髪や上着の肩口にあっという間に雪が積りました。

10段の階段を上って勝手口のドアの前に戻った時は、「エッ、こんなに頭髪や洋服が白くなるものか?」と、その雪の降る量に改めて驚きました。

水分の多い『ベタ雪』ではなく、サラッとした雪は、ほんの10数秒で積るものなんですね。

この原稿でペンを執る30分ほど前は、ハラハラと舞う感じで、「お正月の初雪はいいもんだなあ…」と思っていたのですが、ペンを執って10分後には、庭も屋外も白銀の世界に変っていました。

このぶんだと坂道や高速道路は、危険が待っているなと思っていました。ふと階下の歩道に眼をやると、傘を差して歩いていたご婦人2人の1人が、歩道で滑って転びました。

ハンドバッグと手下げ袋が車道に飛びました。幸い車が通っていなかったので事無きを得ましたが…。

白い雪は見た目には綺麗ですが、積ると怖いものですね。豪雪地方の友人は、雪を『白魔』と言っていました。

その日の夜のニュースでは、高速道路ではスリップ追突事故、歩道では滑って転んで怪我人が幾人か、出たそうです。

短時間のハラハラ、チラチラは詩情もあり季節感もあって良いものですが『白魔』になる雪は、ご遠慮願いたいものですね。

初雪や、水仙の葉のたわむまで 芭蕉

<2022年1月>

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フリーアナウンサー 押阪 忍

1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2022年現在、アナウンサー生活64年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。

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