【妻、小学生になる。第8話 感想】ついに明かされた『生まれ変わり』の謎・ネタバレあり

Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。

2022年1月スタートのテレビドラマ『妻、小学生になる。』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。

会いたい人にもう一度会えるチャンスを与えてくれるファンタジーは夢物語だ。

現実には、必ず終わりがくる。別れを経験するくらいなら、初めから始まらなきゃよかった。現実や真実と向き合いたくない…。そう思ってしまう。

ついに妻の生まれ変わりの真実に向き合う家族に、別れの時が迫っていた。

■『万理華』が戻り、喜ぶ千嘉 一方で…

大晦日の夜に突然倒れた万理華(毎田暖乃)は貴恵(石田ゆり子)としての記憶を失くしてしまう。

次の朝、圭介(堤真一)や麻衣(蒔田彩珠)、千嘉(吉田羊)に見守られながら目を覚ました万理華だったが、すでに人格は貴恵に戻っていた。

貴恵が戻り安堵する圭介達を前にして、千嘉は複雑そうだ。

また「ママ」と呼んでくれた。一瞬だけでも自分の元に帰ってきたことは千嘉にとって喜ばしいことだっただろう。

しかし、すでにそこに『万理華』はいないのだ。

万理華の身に起きた異変を聞いた友利(神木隆之介)は、生まれ変わりの小説『君と再び』を書いている出雲莉音(當真あみ)なら何かわかるかもしれないと考え、圭介達と共にサイン会に行ってみることに。

そこで莉音の口から衝撃の事実を聞くこととなった。

出雲莉音の中にいるのは、吉原康司(かたまり/空気階段)。

教師をしていた吉原は、小説家になる夢を諦められずにいたが、そんな未練を残したまま5年前に不慮の事故で亡くなったという。

一方の莉音は中学生。吉原が死んだの5年前…生まれ変わりの真実は『憑依』だったのだ。

怪我で夢だったバスケを諦め、人生に絶望していた莉音の死にたいという気持ちと、吉原の生きたいという気持ちが偶然、リンクしたのだ。

生まれ変わりではなかった。

「借りたものはいつか返さなきゃいけない、本当の持ち主に」

10年という偶然から生まれた、生まれ変わりという誤認。貴恵は今まで、万理華の体を借りて自分は生きていることに気づいていなかった。

「私、生まれ変わりなんかじゃない」

吉原は、自分の小説が店舗に並んでいるところを見て、生きていた頃の毎日もそう悪くはなかったと、生きたいという気持ちが報われ、莉音の体から去っていった。

そして貴恵も、同じように決心していた。

守屋の圭介を想う純粋な気持ちを聞き、私がいなくなっても、愛する家族を、支えてくれる誰かがいると信じることができたのだろう。

そして、万理華は本当は生きたいと願っていると知った。だから万理華は一度戻ってきたのだ。

借りたものは、必ず返さなくてはならない。もう貴恵の決心は、揺らぐことはなかった。

麻衣と娘として、友利は弟として、小さい子どものように「いなくならないで」とわがままを言う。

圭介は第三の選択肢を諦めなかった。万理華も、貴恵も、共に生きていく方法を。

でも、それは叶わない。この世は生きているか、死んでいるか、その二択だ。

「私がいなくても、自分の力でしっかり生きるのよ。信じてるから」

貴恵は、いなくなった。

再び回り始めたはずだった風車は、また、止まってしまった。

■ファンタジーの裏に隠された残酷な現実

誰かを失ったことがある人なら、一度失くした大切な人ともう一度…。そう願ってしまう。

しかし、そんな『素敵なファンタジー』は夢物語。

ファンタジーは非現実的ではあるが、現実との境界は実は曖昧なもので、現実の上に成り立つものとも言える。

そしていつも、その裏には残酷な現実が隠されている。

その時が幸せでも、現実逃避ができていても、一度大切なものを失った時よりも、もっと大きな絶望が待っているのだ。

しかし、人はそんな夢物語の中で、絶対に出会えない人々や絶対に体験できない出来事と巡りあう。

そしてきっと、その経験が、生きていく力を残していってくれる。

再び最愛の貴恵に出会えた家族に残された選択肢、これは数え切れないほどある。

また、ゾンビのように暮らすのか、それとも、「私がいない世界でも、笑っていてほしい」…そんな貴恵の願いを叶えるために、前を向いて生きていくのか。

圭介達は、貴恵がいなくなった世界の絶望を乗り越え、生きている意味を見つけていけるのだろうか。

そして貴恵が選ぶ、最期のチャンスとは…。

妻、小学生になる。/TBS系で毎週金曜・夜10時〜放送

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[文・構成/grape編集部]

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