サイディング外壁は価格が安い?貼り方・種類・補修のタイミングと費用
2022年03月14日 10時00分ニフティ不動産
サイディングは住宅外壁の主流であり、価格が安くて、耐久性に優れた素材です。ただし、表面の塗装やシーリング(コーキング)が損なわれると、割れてしまったり、雨漏りしたりすることも。

ここでは、
・サイディングの特徴と種類
・サイディングの施工方法(貼り方)
・耐久年数とメンテナンス
について詳しく解説します。
これから家を建てる人やリフォームする人、中古住宅を購入する人は、サイディングのメリット・デメリットについて、しっかり学んでおきましょう。
- サイディング外壁とは?
- サイディングの種類は4つ性能・費用・おすすめは?
- サイディングの耐久年数とメンテナンス
- サイディング補修の費用相場
- サイディングの補修はDIYでできる?
- サイディング外壁の特徴を知り、正しくメンテナンスしよう
■サイディング外壁とは?

サイディングとはパネル外壁材の一種です。
工場で成型された「サイディングボード」を現場でカットして貼り合わせ、パネル同士のつなぎ目を埋めることで住宅の外壁になります。
1970年代に登場したサイディング外壁は、90年代から普及し始めました。
現在は新築戸建ての9割超がサイディングであり、一般住宅の主流となっています。

出典:2021年3月版「住宅用建材使用状況調査」の概要 |一般社団法人 日本サッシ協会
■サイディングは安い?モルタルとの違いは?
外壁の施工方法には、次の2種類があります。
・湿式工法(水を使う工法)・・・モルタル(塗り壁)、タイル
・乾式工法(水を使わない工法)・・・サイディング
サイディングが普及する前の1980年代までは、左官職人さんによる手作業のモルタル仕上げが主流でした。
しかし、モルタル壁には、
・時間の経過でヒビ割れするリスクが高い
・すべて手作業+乾燥時間が必要=工期が長く、工事費用がかかる
・職人さんの技術によるため、品質にバラツキがある
・耐水性が低い
といったデメリットがあります。
その点、サイディングはパネルを貼り合わせるだけなので、建築を担当した大工さんがそのまま施工できます。
さらに、
・工期を短く安くできる
・工場生産で品質が安定している
・種類やデザインが豊富にある
・耐水性・耐天候性が高い
・軽くて耐震性に優れている
など数々のメリットがあるため、今日最も多く使われる外壁材となったのです。
■サイディングの施工方法直貼り工法・外壁通気工法
サイディングの施工方法には直貼り工法と外壁通気工法があります。
その大きな違いは通気層(空気の通り道)の有無です。
直貼り工法
・通気層がない
・木造住宅の構造用合板に防水シートを張り、そのままサイディングを貼る工法
・サイディングの裏側に結露が生じ、カビや腐食の原因になる
外壁通気工法
・通気層がある
・木造住宅の構造用合板に防水シートを張り、胴縁(どうぶち)を取り付けた上からサイディングを貼る工法
・基礎から屋根にかけて湿気が抜けるため、サイディングの裏側に生じる結露を抑えられる
直貼り工法は、サイディングが普及し始めた1990年代の建物に多いですが問題もあり、2000年以降は施工方法が改められて、外壁通気工法が多くなっています。
建物がどちらの工法かを確認するには、水切り板金(外壁と基礎の間にある板金)上部の隙間を測ってみましょう。
奥行きが1cm強であれば直貼り工法と考えて間違いないありません。
一方で、奥行きが2cm強3cmであったり、指先が入るほどのゆとりがあったりすれば、外壁通気工法と判断できます。
サイディングの施工方法の違いは、この後のメンテナンスにも影響するよ。
直貼り工法のサイディング外壁だと、外壁塗装の施工品質保証が受けられなかったり、サイディングの重ね張り工事(カバー工法)が行えなかったりするので、しっかりチェックしよう!
■サイディングの貼り方縦張り・横張り
一般的なサイディングのサイズは、幅45cm×長さ3mほど。
これを縦方向に張るか(縦張り)横方向に張るか(横張り)で、見た目だけでなく性能や工事費用も変わってきます。
サイディングの貼り方の主流は「横張り」です。
その場合は胴縁を縦方向に取り付けるため、通気層が上下方向にあり、空気や水分がスムーズに流れます。
また、横張りサイディングの方が種類が多く、バリエーションも豊富です。
さらに、横張りなら職人さんが一人でも作業できるため、工事価格を安く抑えられます。
ただし、「縦張り」に全くメリットがないというわけではありません。
縦張りならサイディングの長さを活かすことで、継ぎ目の数を最小限に抑えられます。
また、ネックとなる通気性も通気溝付き胴縁を使えば、ある程度は確保できます。
次の章で紹介する金属系サイディングでは、シンプルなデザインを活かした縦張りも増えてきています。
■サイディングの種類は4つ性能・費用・おすすめは?
サイディングの種類は、大まかに分けて以下の4つがあります。
・窯業(ようぎょう)系
・金属系
・木質系
・樹脂系
それぞれの特徴を簡単にまとめると次の通りです。
■窯業系サイディング

日本では一般住宅の7〜8割を窯業系サイディングが占めています。
窯業系サイディングの主原料はセメント質と繊維質。上の表からも分かる通り、最もバランスのとれた外壁材と言えます。
また、ナチュラルな木目調のものから、レンガ風やタイル調、石造り調まで、幅広くラインナップがあるため、どんな外観にも対応できるのも人気の理由でしょう。
その一方で、デメリットは通気性があまりよくないため蓄熱しやすく、素材自体の防水性が低いこと。そのため定期的な塗装メンテナンスが必要となります。
窯業系サイディングのおすすめポイントは?
・硬くて高密度=耐震性・遮音性・防火性が高い
・デザインが豊富
・比較的費用が安い
・工期が短い
■金属系サイディング

金属系サイディングはガルバリウムやアルミニウム、ステンレスなどの金属板に、樹脂断熱材を合わせた外壁材です。
窯業系に比べて重量が軽く、メンテナンスも簡単なので、リフォームの現場でよく使われています。
また、金属系サイディングは断熱性・耐凍害性にも優れているため、気温変化の激しい寒冷地にもおすすめです。
最近では窯業系サイディングに負けじと、レンガ風やタイル調のデザインも登場しています。
その反面、金属ならではのデメリットとして、衝撃に弱く凹んだり、温度変化で変形したり、潮風でサビてしまったりします。
金属系サイディングのおすすめポイントは?
・軽くて扱いやすい(窯業系サイディングの1/4程度)
・断熱性が高い(窯業系サイディングの56倍)
・耐震性・耐凍害性に優れている
■木質系サイディング

木質系サイディングは天然木の表面を炭化させ、塗装を施したものです。自然の色合いや木目が特徴で、温かみのあるカントリー風の外壁に仕上がります。
木質系サイディングは熱を吸収しにくいため、断熱性に優れています。また、日々自然に変化していくため飽きにくく、愛着をもてることでしょう。
ただし、他のサイディングと比べると防火性や防水性に劣り、木目を活かすためにはコーティング剤の耐久性を下げる必要があるため、メンテナンス費用や手間がかかるのが難点です。
木質系サイディングのおすすめポイントは?
・自然な風合い
・天然木ならではの唯一無二のデザイン
・熱を吸収しにくく、断熱性が高い
■樹脂系サイディング

樹脂系サイディングは、プラスチックの一種である塩化ビニル樹脂を使用した外壁材です。日本ではあまり使われていません…
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