バルコニーとベランダ・テラスの違いは?メリット・デメリットを解説

バルコニーとベランダの違いをご存知でしょうか? どちらも似ている言葉ですが、実は明確な違いがあります。この記事ではバルコニーとベランダの違いを解説したあと、メリット・デメリットについてもお伝えします。

バルコニーとベランダ・テラスの違いは?メリット・デメリットを解説

使用する際の注意点やDIYのポイントについてもまとめてあります。アレンジのコツをつかんで、オシャレなバルコニーを作ってみましょう。物件探しのヒントにもなりますので、ぜひ参考にしてください。



■バルコニーとは?

バルコニーとベランダ・テラスの違いは?メリット・デメリットを解説

家屋やマンションの上階からせり出している、屋根のない室外スペースをバルコニーといいます。

バルコニーは建物内から室外へ楽に出入りできる便利なスペースです。洗濯物を干したり、ガーデニングをしたりと様々な用途で使用可能な空間でもあります。バルコニーには手すりを付けることが義務付けられており、手すりの高さは110cm以上で施工することが建築基準法で定められています。

バルコニーとは2階以上に設置されるものを指し、屋根がついていない形状が基本です。屋根がない分、室内にも日差しが届きやすく明るい空間が作れます。ただし、雨が降ってしまうと洗濯物が干せなかったり、窓を開けたままにできないというデメリットもあります。夏の強い日差しが室内に入り込んでしまうという側面もありますが、冬場は日差しを取り入れやすく、暖かく過ごせるでしょう。

■バルコニーとベランダの違い

混同されがちなバルコニーとベランダですが、決定的な違いは屋根の有無と設置する階数です。

バルコニーには屋根がなく、ベランダには屋根や庇がついています。どちらも建物からせり出した室外スペースという共通点はありますが、屋根の有無が大きな相違点といえるでしょう。

また、ベランダに関しては階数の定義がありません。2階以上に設置されるのがバルコニーで、ベランダは屋根さえあれば1階でもベランダと呼びます。日本家屋にある縁側はベランダの一種といえるでしょう。マンションやアパートなど集合住宅のベランダは、上階のベランダ床部分が屋根となる構造が一般的です。

ベランダは屋根や庇がついた形状が基本となるため、少しくらいの雨なら洗濯物が濡れる心配がほとんどありません。集合住宅の場合は屋根が目隠しとなり、プライバシーも保てるでしょう。しかし屋根がある分、バルコニーよりも室内に陽の光が届きづらく、暗くなりがちです。部屋に天窓を設置すると光を取り入れやすいでしょう。         

■バルコニーとテラスの違い

バルコニーとテラスの違いはどういった点なのでしょうか?

テラスとは、1階の部屋から外面にせり出したような室外空間を指します。部屋と同じ高さになるよう、屋外の土地を盛り上げて平らにして作られます。屋根がない形状はバルコニーとテラスの共通点ですが、2階以上に設置するのがバルコニー、1階に設置するのがテラスと覚えておきましょう。

テラスは1階の部屋との一体感があり、なおかつ開放的な空間となります。       

■バルコニーの主な種類

バルコニーとベランダ・テラスの違いは?メリット・デメリットを解説

バルコニーの代表的な種類を5つご紹介します。それぞれの特徴を押さえておきましょう。

■ルーフバルコニー       

ルーフバルコニーとは、階下の屋根が床となるような作りのバルコニーを指します。一戸建ての場合は屋上に作られることが多いでしょう。集合住宅では、道路の採光や通風をよくするための「道路斜線制限」に伴って、ルーフバルコニーを作るケースがあります。上階へ行くほど建築物が後ろへずれ込んでいくため、空いたスペースがルーフバルコニーとして活用されます。

階下の屋根を床とする構造のため、床の防水作業はきちんと行いましょう。夏場に強い日差しが照り付けると階下の部屋の温度上昇も考えられます。ルーフバルコニー設置の際は床部分の補強を怠らないよう注意してください。

ルーフバルコニーはベランダよりも広々と使えるので、テーブルや椅子を置いてくつろぎのスペースを作りたい方におすすめです。日当たりの良い利点を生かして、ガーデニングやプランターでの野菜作りなども可能。集合住宅ならルーフバルコニーは庭のように活用できるでしょう。夏場はバーベキューやお子さんの小さいプールを置く最適の空間となります。     

■インナーバルコニー

ルーフバルコニーに屋根のついたタイプがインナーバルコニーです。建物からせり出す通常のバルコニーとは異なり、部屋の一部が室外スペースとなったようなイメージです。部屋全体が開放的な明るい空間となり、広々とした印象に。1階に設置されるテラスと似ていますが、屋根付きで2階以上に設置するのがインナーバルコニーとなります。ベランダとも混同しがちですが、建物からせり出しているのがベランダ、階下の屋根を床にしているのがインナーバルコニーです。

インナーバルコニーは、ルーフバルコニーと同様に床の防水作業が必須です。他のバルコニーとは異なり、屋根や壁・床の設置もするため設置費用が高額になる傾向があります。インナーバルコニーの広さによっては、固定資産税が上がる可能性も。新築で作る場合はお住まいの自治体の規定を確認しましょう。     

インナーバルコニーは小さいお子さんやペットの遊び場がほしい方におすすめです。床部分にウッドデッキなどを敷き詰めると、部屋とバルコニーの段差があまりなくなり、お子さんや高齢の家族が出入りするときも安心でしょう。部屋と似たような木目のウッドデッキにすると一体感が増します。集合住宅でもパネル式の床材なら取り外しも可能ですので、手軽に設置できるでしょう。床をテラコッタ調のタイル張りにして、来客用の接待スペースにするのもオシャレ。ハイセンスな空間を演出したい方にもおすすめのバルコニーです。     

■回りバルコニー

回りバルコニーとは、部屋をL字で囲むような形状のバルコニーのことです。通常はI型の直線の形状ですが、部屋の2方向がバルコニーのため採光にも優れています。風通しも良く、部屋が開放的な空間になるでしょう。景色も違う方向から眺められるので眺望が良い点もメリットです。

室内の採光や風通しを重視する方に回りバルコニーはおすすめです。ただし、マンションやアパートで回りバルコニーが設置できる部屋は角部屋のみで限定的となります。

■サービスバルコニー

サービスバルコニーとは、奥行きが1m以下の小さめのバルコニーの総称です。大きさに明確な定義がないため、集合住宅では避難経路にならないバルコニーのことをサービスバルコニーと呼ぶことも。他のバルコニーとは異なり、ごく少量のものが置ける物置のような使い方になります。サービスバルコニーは部屋や庭としてではなく、あらかじめ決められた用途のために作られることが多いでしょう。

サービスバルコニーはエアコンの室外機を置くスペースが欲しい方や、ゴミを一時的に置く場所を作りたい方におすすめです。通常はキッチンの脇に設置されることが多いようです。ゴミの仮置き場以外にも、土のついた野菜類を置いたり、洗ったフキンやまな板を干すスペースとしても活用できるでしょう。

■スカイバルコニー

スカイバルコニーは、主に屋上に設置されたバルコニーを指します。屋上に設置されたルーフバルコニーをスカイバルコニーと呼ぶこともあります。スカイバルコニーもガーデニングやおうちキャンプで大活躍するスペースです。

スカイバルコニーは屋上を有効活用したい方におすすめです。スカイバルコニーにソファを置けば第2のリビングができあがります。面積の広いスカイバルコニーなら、海外のホテルのようにジャグジーを設置して夜空を眺めながら楽しむことも。床の防水施工やメンテナンスはきちんと行わなければいけませんが、家にいながら贅沢な空間を味わえるでしょう。

■バルコニーがある物件のメリット・デメリット   

バルコニーとベランダ・テラスの違いは?メリット・デメリットを解説

バルコニーとベランダのメリットとデメリットは以下の通りです。物件探しをする際の参考にしてみてください。


バルコニーとベランダのメリット・デメリットは、主に屋根の有無による用途の違いによるものといえるでしょう。生活する際にどんな点を重視するのかを考えることが大切になってきます。


■バルコニーをおすすめする人

バルコニーの最大の特徴は、屋根がなく、日当たりの良いこと。洗濯物を干したり、子供の遊び場にしたりと庭のような用途で使用したい方にバルコニーはおすすめです。植物や野菜を育てたい方にもバルコニーは最適の空間となるでしょう。集合住宅では庭を持つことが難しいため、バルコニーを緑あふれる空間にすることで癒し効果も生まれます。

雨が降った日はバルコニーの使用ができなくなりますし、窓を開け放していると雨が室内に入る恐れも。仕事前に干した洗濯物が急な雨で濡れてしまうことなどが不安であれば、ターフを設置するといいでしょう。ターフは雨以外に夏の強い日差しも和らげてくれる効果があります。


■バルコニーをおすすめしない人

雨の日でも洗濯物を干したい、夏場の強い日差しを避けたいという方にはバルコニーは不向きかもしれません。また、集合住宅の場合、屋根がないことで上階からの視線が気になるという方もいるでしょう。プライバシーを重視したい方にはバルコニーはあまりおすすめできません。ターフやガーデンパラソルでも視線は遮られますが、それでも気になるようなら屋根付きのベランダを選んだ方がいいでしょう


■バルコニーやベランダを使用する際の注意点 

バルコニーとベランダ・テラスの違いは?メリット・デメリットを解説

バルコニーやベランダを使用する上での注意点をご説明します。室外作業をするのに便利なバルコニーやベランダですが、使用する際は近隣住民への配慮が必要です。  


■騒音や臭いで近隣に迷惑をかけない

バルコニーやベランダでよく起こるトラブルとして、騒音や臭いの問題があります。昼夜問わず友達を呼んで大きな声で騒いだりするのはやめましょう。バルコニーやベランダで喫煙する方も多いですが、風向きなどに注意が必要です。特に集合住宅の場合、隣のベランダに布団や洗濯物が干してあると臭い移りの原因となります。副流煙が流れてくることを気にする方もいるでしょう。洗濯物にタバコの灰が飛んで焦がしてしまう恐れもあるため、喫煙するタイミングに気をつけてください。

集合住宅のようにベランダ同士が仕切りのみで区切られている場合、強い香りの芳香剤がトラブルの原因となることもあります。また、ペット臭にも注意が必要です。ウサギや犬のトイレの処理は小まめに行いましょう。水槽でメダカや金魚を飼っていると水槽内の臭いが流れてしまうこともあります。

意外と盲点なのが室外機やウッドパネルなど床材の下からの悪臭です。バルコニーやベランダは雨風にさらされていますのでカビが発生しやすい環境となります。定期的に掃除をしてにおいの原因を断ちましょう。


■避難経路を塞ぐような物を置かない

マンションやアパートのバルコニーやベランダは、避難経路を兼ねているのが一般的です。避難経路を塞ぐような棚や物置を置くのはやめましょう。隣のベランダとの間の仕切りは蹴破り戸などと呼ばれ、災害時には蹴って外して避難することになっています。物を置かないよう注意喚起をしている集合住宅も多いでしょう。…

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    アパマンと異なり、法的に定義されてる重要事項と聞いたが。

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