年収700万円の家賃目安は?一人暮らしや家族がいる場合をそれぞれ解説
2022年04月18日 10時00分ニフティ不動産
引っ越しを考える際、年収と家賃のバランスは最も重要な問題の一つ。本記事では、年収700万円の家庭における家賃の目安を一人暮らしや家族がいる場合に分けて詳しく解説していきます。

具体的な家賃の目安や生活費を知ることで、よりリアルな生活をイメージしやすくなります。引っ越しやマイホームの購入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
■年収700万円の手取り額

年収による家賃目安を知るには、まずは手取り額を把握する必要があります。一般的に年収とは、基本給に交通費や各種手当などを含めた会社が支払う総支給額のことを指します。そこから税金や社会保険料などが差し引かれた額が手取りです。会社から天引きされる分を考慮すると、手取り額は総支給額のおよそ80%程度。つまり年収700万円の場合は、約560万円が実際の手取り年収となります。
続いて手取り月給を見ていきましょう。月々の手取り額は、ボーナスの有無によっても差が発生します。例えばボーナスが無い会社の場合は、560万÷12ヶ月で月々の手取り額は約46万円。ボーナスが月給2か月分支給された場合なら、560万÷(12ヶ月+2ヶ月)で月々の手取り額は約40万円です。ボーナスの有無や社会保険料率は会社や業種によっても異なります。家賃は毎月支払うものなので、まずは正確な月々の手取り額を把握しましょう。
■年収700万円の家賃目安

次に先ほど算出した手取り額を参考に、年収700万円の家庭の家賃目安を見ていきましょう。年収700万円の場合、月々の手取り額は約40〜46万円。手取り額の3割を家賃目安として計算すると、それぞれの金額は以下のようになりました。
一般的に家賃の適正額は手取り額の3割ぐらいまでというのが通説とされています。家賃の上限を考えるうえで、無理なく生活ができる一つの基準と言えるでしょう。この基準に合わせて計算すると、年収700万円の家賃目安は12〜13.8万円。地域や家族構成にもよりますが、かなりの金額を家賃に充てられる計算になります。
しかし実際に上記の金額を全て家賃に充てられるかというと、食費や交際費などの生活費にかける金額によるところが大きいです。生活費の額は家族の人数や子供の有無、ライフスタイルによって大きく差があります。子供がいる家庭であれば、生活費に加えて教育費や養育費も発生するでしょう。また、必要な間取りや面積も家族構成によって異なります。家賃目安に縛られすぎず、それぞれのライフスタイルに合わせた適正家賃を考えることが重要です。
■一人暮らしの場合の家賃目安
一人暮らしの場合、生活費は自分の分だけで済むため、比較的家賃目安通りの物件選びが可能になります。地域による違いはありますが、家賃12〜13.8万円であれば一人暮らしには充分な広さの物件が選べるでしょう。通勤に便利な駅近の物件で、金銭的に余裕のある暮らしが送れそうです。しかし外食や趣味への支出が多い人や、将来のための貯蓄額をしっかり確保したい人は、もう少し家賃を抑える検討が必要です。
一人暮らしで人気のある間取りは1Kや1LDK。寝室とは別に、リモートワーク用の仕事部屋や趣味の部屋を確保したい人なら2LDKもおすすめです。東京23区内の場合、1Kの家賃相場は6〜13.5万円。家賃目安内なら、築浅の専有面積20〜40平米程度の物件から幅広く選択できます。1LDKの場合、家賃相場は7.38〜18.33万円。1Kに比べると選択肢は減りますが、23区内でも場所によっては築浅の25〜50平米程度の物件も多数存在します。
地方都市とも比較してみましょう。大阪府堺市の場合、1LDKの家賃相場は5.67〜8.14万円。2LDKでも6.02〜10.98万円が相場。家賃13万円であれば、新築の2LDK・62.2平米の駅近物件に住むことができます。1LDKなら、家賃12万円で新築の1SLDK・55平米の駅近物件も選択可能。地方都市であれば、東京都内に比べてより広い部屋や設備の整った部屋を選べそうですね。
■家族がいる場合の家賃目安
家族がいる場合、家族の人数や子供の有無に合わせて必要な間取りが異なります。子供がいる場合は、将来的な子供部屋も想定し、主寝室以外に一部屋以上個室を確保する必要があるでしょう。また、子供がいる家庭は養育費や教育費、将来のための貯金の負担も増えます。家賃目安に縛られず、家計に無理のない範囲の家賃を設定することが重要です。
三人家族に人気のある間取りは2LDK。二部屋ある個室を、夫婦の寝室と子供部屋として使用するパターンが多いです。東京23区内の場合、2LDKの家賃相場は10.4〜41.56万円。中央区や渋谷区などの人気の地域は家賃20万円を超えてしまいますが、足立区や葛飾区など23区東部エリアであれば予算内で住むことができます。住める地域に限りはありますが、23区内でも40〜84平米の広さの部屋を選択できますよ。
大阪府堺市の場合なら、2LDKの家賃相場は6.02〜10.98万円。子供が二人いる家庭にピッタリの3LDKでも、6.37〜12.11万円が相場です。家賃13万円であれば、築3年の3LDK・94.4平米の物件が選択可能。主寝室の他に個室が二部屋あり、四人家族にもおすすめの広々とした家に住むことができます。
家賃相場は地域によっても大きく異なります。総務省の調べによると、全国平均の一ヶ月あたりの家賃は55,695円であるのに対し、東京は全国で最も高額な平均81,001円。大阪や名古屋、千葉であれば、家賃平均は50,000円代にぐっと下がります。東京以外の地方都市なら、より条件の良い物件を選択できそうです。手取り金額と合わせて月々の生活費をあらためて見直すことで、自分のライフスタイルにあった家賃目安を見極めていきたいですね。
■【世帯別】年収700万円の生活費内訳

年収700万円世帯の生活費について、詳しく見ていきましょう。生活費の内訳は、家族構成や個人のライフスタイルによって大きく異なります。ここでは総務省統計局が発表した2020年度版家計調査の家計収支を参考に、家族構成ごとの生活費内訳を計算しました。一人暮らし、夫婦などの二人暮らし、子ども一人の三人家族、子ども二人の四人家族の場合に分けた、それぞれの生活費内訳の目安は以下の通りです。家賃は上述した手取り目安の平均として43万円の場合を想定し、一律12.9万円として計算します。
■一人暮らしの場合の生活レベル
年収700万円で一人暮らしの場合、手取りの3〜4割程度を貯蓄に回す余裕があります。食費や水光熱費なども一人分で生活を圧迫しないため、非常に余裕のある暮らしと言えるでしょう。外食や趣味に月5万円程支出しても、生活には支障ありません。上記の目安より生活費を抑えられれば、家賃を15〜20万円程度まで上げることも可能でしょう。20万円まで家賃を引き上げられれば、都心の1LDKも候補に含めることができます。
反対に食費や交際費で月に10万円以上出費がある人なら、家賃を10〜11万円程度に抑える必要があります。同様に、貯金を月20万円程度したい人も家賃を10〜11万円まで下げると無理のない生活が送れそうです。目安通りの生活費でも十分な貯金が可能ですが、結婚やマイホーム購入など将来のための貯金を想定している人は家賃とのバランスを検討しましょう。通勤や遊びに便利な都心の部屋に住み生活費を抑えるか、家賃を抑え交際費や貯蓄に回すのか。それぞれのライフスタイルや将来設計を今一度見直し、理想の暮らしに合わせた家賃設定が重要です。
■二人暮らしの場合の生活レベル
年収700万円で二人暮らしの場合、月5万円程を貯金に回すことができます。一人暮らしほど余裕のある暮らしではありませんが、貯金をしながら問題なく生活できるレベルでしょう。一人暮らしと比べて全体的に出費は多くなります。特に、水光熱費や医療費、交通費は一人暮らしの時の2倍になると想定した方が良いでしょう。また、交際費も全家族構成中で最も高い金額になっています。もう少し余裕のある生活を目指すなら、交際費を抑え自炊をするなどの工夫が必要です。上記の目安より生活費を押さえられれば、家賃を15万円まで上げることが可能。地域にもよりますが、15万円あれば1LDKから2LDKへの引っ越しも視野に入れることができます。
2人暮らしの場合、結婚や将来の子供のことを考え、貯金もできるだけしたいところ。月10万円を貯金に回すなら、家賃は8〜10万円程度まで下げると良いでしょう。食費に7万円以上かける人や外食の多い人も、同様に家賃を少し下げた方が余裕のある生活が送れそうです。2人の将来設計について、共に暮らすパートナーとじっくり相談してみてはいかがでしょうか。
■三人家族の場合の生活レベル
年収700万円で夫婦やパートナーと子ども一人の三人家族の場合、貯金をする余裕はありません。娯楽や交際費は捻出できますが、生活費のやりくりで精一杯な状況と言えるでしょう。子供のいる三人家族では、一人暮らしや二人暮らしの時と比べ、新たに子供の養育費や教育費が発生します。子供が小学校低学年までは、教育費はそこまで高くはありません。しかし、6歳を超えると習い事や家族旅行などのための費用が増加。食費や水光熱費など全体的な出費も、子供のいない世帯より多くなります。上記の目安より生活費を押さえられれば、13〜14万円程度まで家賃を上げることは可能でしょう。家賃を1〜2万円上げれば、教育レベルの高い人気の地区への引っ越しも検討できるかもしれません。
食費に8万円以上かける人や貯金を月5万円したいなら、家賃を8万円程度まで下げる必要があるでしょう。三人家族の場合、通勤や遊びに便利な立地より子育てのしやすさを優先した物件選びがおすすめです。郊外の物件なら、家賃を抑えても十分な広さと子育てのしやすい環境を両立することが可能です。家賃を抑えた分、子供の将来のための積立に回すなど、余裕をもって家計をやりくりすることができるでしょう。
■四人家族の場合の生活レベル
年収700万円で夫婦やパートナーと子ども二人の四人家族の場合、毎月2.7万円の赤字になります。家賃を下げるか生活費を削らないと、厳しい生活レベルと言えるでしょう。四人家族の場合、子ども一人の三人家族と比べて、食費や教育費が一万円以上増加する想定が必要です。子供が小学校高学年を超えると、さらに教育費は大幅に増加。塾代や学費の負担だけでなく、制服代などの出費も発生します。また、12歳以降は大人並みの食事をとるようになるため、食費をはじめ水光熱費の出費が増加します。子育て費用のピークは18〜21歳。大学進学費用だけでなく、食費・水光熱費の支出は子供のいない世帯の30%弱を上回ります。上記生活費目安に捉われず、子供の年齢に合わせた生活費を想定しましょう。
上記の目安より生活費を大幅に抑えられれば、家賃を13〜14万円程度まで上げることも可能です。しかしこれ以上家賃を上げるのではなく、家賃を含めた生活費全体の見直しが必要でしょう。食費が9万円以上かかる人や教育費が上記の目安より高い人は家賃を7万円程度まで下げる必要があります。家賃を下げることで、もう少し余裕のある生活を送ることができます。郊外や地方都市であれば、3LDKでも家賃7万円の物件を探すことができるでしょう。また貯金を月3万円したいなら、同様に今より家賃を5万円程下げる必要があります。しかし厚生労働省の国民生活基礎調査によると、子育て世帯の11.6%は貯蓄がないと回答。多くの子育て世帯が貯金をする余裕がないのが現状です。急な出費や病気などの万が一に備えた貯金も大切ですが、まずは無理なく生活できる家賃と生活費のバランスを見直してみましょう。
■年収700万円ならマイホーム購入もあり
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