『交通誘導員ヨレヨレ漫画日記』(三五館シンシャ、フォレスト出版/1200円+税)〜本好きのリビドー/昇天の1冊

『交通誘導員ヨレヨレ漫画日記』(三五館シンシャ、フォレスト出版/1200円+税)〜本好きのリビドー/昇天の1冊

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『交通誘導員ヨレヨレ漫画日記』(三五館シンシャ、フォレスト出版/1200円+税) (C)週刊実話Web

7万部のヒットとなったエッセーの漫画版が『交通誘導員ヨレヨレ漫画日記』(三五館シンシャ、フォレスト出版/1200円+税)だ。73歳の高齢男性が雨の日も、風の日も路上に立ち、ひたすら交通誘導の激務に励む日々を綴った、話題の本である。



柏耕一さんは負債2500万円を抱えている。数年前から生活費を稼ぐため、交通誘導員の職を得た。高齢者には過酷な現場だが、交通誘導員の4割が60歳以上の方々なのだそう。


老後資金が圧倒的に足りない彼らが就ける仕事は、他に清掃・介護くらいしかない。その中でも、柏氏自らが「最底辺の職業」と自嘲する交通誘導員は、コロナ禍のテレワークなど一切無縁の世界。毎日が苦労の連続で、ときどき涙もあふれる。だが、決して希望は捨てずに現場に立つ。そして、その姿に共感する中高年読者が続出しているというのだ。


「仕事がない」と嘆く若者へ…

日本のブルーワーカーは「3K」(きつい、汚い、危険)と呼ばれて以降、慢性的な人手不足に陥っている。特に、若い人たちがこうした職種を敬遠した結果、高齢者と外国人に依存せざるを得ない状況にあるという。


柏氏はコロナで失業した若者が、ニュース番組のインタビュー等で「仕事がない、就職先がない」と嘆くことに疑問を呈する。交通誘導員があるよ…と。生活苦にあえいでいるなら、日当9000円のこの仕事で、社会とのつながりを得ようじゃないか…と。


働くことの意義を問いかけてくる1冊だ。


(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)



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