近い将来3人に1人に?「子どもをもたない」6人の女性の事情と感情。

近い将来、3人に1人が「子どもをもたない」と推測されているという(※)。珍しくないことだが、古い価値観に苦しめられ、生きづらさや肩身の狭さを感じる女性も多い。

※「日本の将来推計人口」(国立社会保障・人口問題研究所)のデータより。

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『まんが 子どものいない私たちの生き方 おひとりさまでも、結婚してても。』(小学館)は、子どものいない女性を応援する「マダネ プロジェクト」主宰のくどうみやこさんがコラムと原案を手掛けた。そして、まんがは『40歳になったことだし』『あしたの、のぞみ』などおひとりさま女性のリアルライフを描いた作品が人気の森下えみこさんが担当している。

本書では、子どものいない人生を歩くことにした6人の女性の物語が描かれる。本音と迷い、そして覚悟のようなものが感じ取れる。

4年間の不妊治療を終えて自分の存在意義に悩むミホさん。気付いたらタイムリミットを迎えていたマユミさん。後輩ワーママの活躍と昇進にモヤる独身のリョウコさん。「欲しくないから産みません」が言い出せないミサキさん。じつは夫に原因アリ。だからか「もしも」を捨て切れないカオリさん。そして62歳の先輩が包み隠さず教えてくれた、「今」の受け入れ方、乗り越え方。

本書で描かれる女性たちの子どもがいない理由はそれぞれ異なる。もとになったのは、著者のくどうみやこさんが集めた400人もの取材データ。リアルな"子どもいないあるある"エピソードの連続に共感する人も多いだろう。

本書掲載のエピソードより、専業主婦のミホさんの例を紹介する。

ミホさんは結婚8年の41歳女性。不妊治療歴は4年になる。

結婚したころは「当たり前に妊娠して出産して、子どものいる家庭になるんだ」と思っていたミホさん。なかなか自然妊娠できず、不妊治療を始めることに。しかし、タイミング法や人工授精がうまくいかず、治療に専念するために会社を辞める。体外受精にステップアップするも、良い結果が出ない。

そのような日々の中、専業主婦で子どもがいないことに肩身の狭さを感じてしまう。そんなミホさんと同じように、子どものいない専業主婦の方が自分の存在意義に悩んでしまうことは少なくない。

◼️「子なし」というワードの冷酷さ

著者のくどうさん自身も「子どものいない人生」を歩く一人だ。31歳で結婚、42歳の時に子宮の病気を患い出産できる可能性がゼロになった。若いころは漠然と子どもを産み、母親になると思っていたが、仕事を優先して先送りしていたくどうさん。子どもが欲しくて努力してきたわけでも、「もたない選択」をしたわけでもなく、「ただなんとなく流れに身を任せていたら、子どものいない人生にたどり着いてしまった」という。

 子どもがいない人を一般的に「子なし」と呼びますが、この言葉にはどこか冷酷さを感じるので個人的にはあまり使いません。子ありの女性には「ワーママ」や「シンママ」といった呼称があるのに、"私たち"の立場を示す言葉は確立されていない未成熟なカテゴリー。当事者同士でも周囲の環境や住む地域、価値観の違いなどから、ともすれば分裂しかねない繊細なテーマでもあります。

そこでくどうさんは、ネットで参加者を募り、「子どもがいない女性の会」を開催。そこで、「産めない」と「産まない」の違いを痛感し、人それぞれに異なる事情と感情があることを知る。

 子どものいない女性を単純に一括りにしづらい部分はあるのですが、同じ子どもがいない人生を歩む者同士。口にしないだけで、子どもがいない肩身の狭さや共通感情を持っています。 (中略)事情は人それぞれですが、子どもがいないことで感じる"モヤモヤ"は共通点が多く、「こんな風に思っていたのは自分だけではなかった」と心強く感じるようです。

しかし、世の中の価値観も少しずつ変わってきている。子どものいない人生が虚しくてつまらないなんてことはない。自分のペースで歩んでいけば良いとくどうさんは言う。

いま悩んでいる人も、この先「子どものいない人生」を歩む人も、本書を読めば、さまざまな生き方や幸せのかたちがあることに、勇気をもらえるのではないだろうか。

※画像提供:小学館

(BOOKウォッチ編集部)

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