閉経後、女性ホルモンは男性より少ない!? アラフォーからの「更年期」の教科書。

 「はじまりのサインは?」「不調はいつまで?」「もう女じゃなくなる?」――。「閉経」や「更年期」について、知らないことは案外多い。

 メディアでも話題の産婦人科医・高尾美穂さんの著書『いちばん親切な更年期の教科書 閉経完全マニュアル』(世界文化ブックス 発行、世界文化社 発行・発売)が今月13日に刊行された。予約殺到で発売前重版が決定したそうだ。

 本書は「更年期のおもなトラブル」から「食事・睡眠」「運動」「婦人科の更年期治療」「アフター更年期の備え方」まで、閉経前後からの10数年を上手に乗り切るコツをわかりやすく解説する。

■目次 第1章 閉経までに知っておきたい!【更年期AtoZ】 第2章 更年期の不調を自分で治すセルフケア【食事と睡眠の整え方】 第3章 自律神経を整え骨盤底筋を鍛える【ゆるラクヨガ】 第4章 上手な婦人科のかかり方【HRTと漢方治療】 第5章 かかりやすい病気から身を守る【女性のがんと生活習慣病】 第6章 人生が変わる! 閉経後の備え方【アフター更年期のコツ】

??閉経年齢の中央値は50.54歳

 まず、女性の健康は女性ホルモンで守られているという。卵巣機能が止まり、女性ホルモンがほとんど出なくなるのが「閉経」であり、その前後10年間が「更年期」にあたる。

 卵巣が機能するのは10歳から50歳まで。日本人の閉経年齢の中央値は50.54歳。50歳で閉経した場合、45歳から55歳までが更年期ということになる。

 「私たちは閉経後、50年近く女性ホルモンの恩恵なしに生きていかなければならないのです。(中略)更年期以降に起こり得るリスクをあらかじめ知っておき、きちんと対策を講じさえすれば、その先も生涯、健やかに生きていくことができるはず」

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??閉経まで、そしてそれから

 「アラフォーから備えたい 閉経前後のロードマップ」とある。「アラフォーから? もう?」と思ったが、「40代は女性の人生の大転換期」という。

 ここで「閉経前後のロードマップ」をチェック。自分の現在地を知り、この先をざっくり見通してみよう。

■45歳くらいから 女性ホルモンの分泌量が急減し、さまざまな不調に見舞われる。月経不順が見られたら、更年期のはじまりかも。■50歳前後 50歳を境に多くの人が閉経を迎える。この前後2年間は女性ホルモンの急減による変化に体が追いつかず、不調はピークに。■55歳くらいから 女性ホルモンの不安定さから解放される一方、骨量低下や生活習慣病のリスクが高まる。次のステージを見据えた対策が大切。

 女性の人生に大きな影響を及ぼすのは、卵巣から分泌される「エストロゲン」という女性ホルモン。30代後半以降は分泌量が徐々に減っていき、40代後半から更年期に入ると急減。閉経前後は乱高下し、閉経後にはなんと男性よりも低い値で一定になるのだとか。

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「閉経前後のロードマップ」(画像提供:世界文化社)

??身体も環境も変わる

 更年期のはじまりは、閉経したときから逆算するとわかる(逆に、閉経しないとわからない)。まだ閉経していなくても、40歳を過ぎたら「もう更年期に入っているかも」と考えて準備をしておくことが大切だ。

 「女性の40代は、ある程度の経験を重ねてきた人生の成熟期。結婚や育児、仕事など、脇目も振らずにひたすら全力で走ってきた人生の折り返し地点にある年代です」

 そんな人生の曲がり角には、環境の変化も訪れる。たとえば子どもの反抗期、就職や結婚、自身の転職や配置転換、出産、はたまたパートナーから女性として見てもらえないという喪失体験......。

 身体的な変化とともに、環境の変動が起こりやすい時期であることが、更年期症状を引き起こす大きな要因という。

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「STEP1」から「STEP5」まで(画像提供:世界文化社)

??棚卸しの時期

 更年期の不調を治すセルフケアのうち、「食事」から少し紹介しよう。

 基本は3食バランスよく食べること。その上で、更年期に積極的にとりたい栄養素の1つに「大豆イソフラボン」がある。

 毎日大豆をとっている人ほど女性ホルモンの「エストロゲン」に似た成分「エクオール」を作れる割合が高く、「エクオール」を作れる人ほど更年期症状が軽い傾向があるという。ちなみに1日の摂取量の目安は、豆腐なら2/3丁、納豆なら1パック、豆乳ならコップ1杯程度。

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「大豆が好きな人は更年期症状が軽い」(画像提供:世界文化社)

 「閉経」や「更年期」はあまり直視したくはないが、正しい知識を備えておけば、気持ちはずっと楽になる。人生における40代、50代の位置を俯瞰してみると、自分をもっといたわってあげたくなるだろう。

 最後に、高尾さんが「女性はあまりにも頑張り屋さんが多い」と書いていることにもふれておきたい。

 「自己犠牲型の人は、更年期障害が強くなりがちです。更年期はいままでの人生を振り返り、体調や人間関係の状態を確認する棚卸しの時期。ていねいに自分の体と向き合い、ケアしましょう」

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著者の高尾美穂さん(画像提供:世界文化社)

■高尾美穂さんプロフィール 産婦人科専門医。女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道副院長。医学博士。スポーツドクター。ヨガドクター。東京慈恵会医科大学大学院修了。同大学附属病院産婦人科助教をへて2013年より現職。「すべての女性によりよい未来を」をモットーに、医療・ヨガ・スポーツの3つの活動を通じ、専門的な知識をわかりやすく伝える啓発活動に精力的に取り組む。高いプロ意識とソフトで親しみやすいキャラクターが大人気。イベントやセミナー、メディア出演多数。著書に『超かんたんヨガで若返りが止まらない!』(世界文化社)がある。YouTube「高尾美穂からのリアルボイス」を毎日更新し、女性の健康のみならず、よりよく生きるためのヒントを届けている。

※画像提供:世界文化社

(BOOKウォッチ編集部)

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