アマゾン創業者が手紙に書いた未来とは?

アマゾン創業者が手紙に書いた未来とは?

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 世界最大のオンライン・ショッピングサービスAmazon。もはやこの名を知らない人を探す方が難しいほど、生活に溶け込んだサービスの一つだろう。

 そのAmazonが、なぜここまで成長できたのかについては、これまでも多様な形で紹介されてきたが、本作、『Invent & Wander ジェフ・ベゾス Collected Writings』(ジェフ・ベゾス、 ウォルター・アイザックソン 著、 関 美和 訳、ダイヤモンド社)は、手紙や講演で経営者のジェフ・ベゾス氏が何を発したのかをひも解く形で、Amazonの成長メソットにアプローチしているのが特徴的だ。

 本書は、ジェフ・ベゾス氏がAmazonを創業する過程にも触れているが、そのパートよりは、どうやって成長していったかについて知るうえで、とても興味深いエピソードが豊富に収められている。

 たとえば、初心を忘れないこと、後悔の少ないフレームワークを心がけること、お客様を大切にすること、長期的な投資をすることなど、枚挙にいとまがない。しかも、手紙として書かれたものや、話した言葉の記録なので、メッセージそのものとしてすっと頭に入ってくるから、分量が多いにもかかわらず疲れなく読むことができる。

??ネットショップだけではないAmazonの存在感

 書籍の通販でスタートし、顧客意見を取り入れて取扱商品を拡大していくAmazon。次第に社内の優れたコンピューター・システム自体も社会の役に立つと気づいてサービス展開に着手していく。それがAWS(Amazon Web Services)で、クラウドの時代と言われる現代、サーバーのベンダーとしても大きな存在感を放っている。

 そして、サーバーにとどまらず、ジェフ・ベゾス氏はブルーオリジン社を起業し、宇宙開発にも着手していく。その動機や未来への思いも含めて、本書には経営者がどんな気持ちで取り組んできたのかがとても興味深く親近感のあるタッチで書かれている。

 なお、本書の読みやすさには、翻訳の力量も手伝っていると思って翻訳者を調べたところ、関美和さんの訳であった。関さんは大ベストセラー『FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』(ハンス・ロスリング 、 オーラ・ロスリング 著、日経BP社)の翻訳家の一人でもある。

 関さんは本書の刊行に際し、次のようにコメントしている。

「読者はこうした過去の手紙で書かれている多くのことが、まるで予言のように次々といまの現実となっていることに驚くはずだ」

 その予言がどんなことなのか、本書を手に取って答え合わせしてみてはいかがだろうか。

(BOOKウォッチ編集部)

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