BTSに影響を与えたユング心理学者が、BTSを読み解いた。

 世界的人気を誇るK-POPグループ、BTS。2022年6月10日に発売される最新アルバム『Proof』が話題だ。 BTSの過去のアルバムが、ユング心理学の影響を受けていることはご存じだろうか? BTSが2019年に出した『MAP OF THE SOUL : PERSONA』、2020年に出した『MAP OF THE SOUL : 7』のタイトルは、ユング派分析家マリー・スタインさんの著書『ユング 心の地図』(原題:Jung's Map of the Soul)に由来していると言われている。 BTSの作品に影響を与えたマリー・スタインさん本人が『MAP OF THE SOUL : 7』を読み解いた本『BTS、ユング、こころの地図 『MAP OF THE SOUL:7』の心理学』(創元社)が、日本でも発売された。

 本書はスタインさんが二人の共著者を迎え、一般読者向けに、オリジナルの『ユング 心の地図』よりは読みやすく、しかし内容の質は保ったままユング心理学を解説している。「BTSの曲にユング心理学が関係しているとは聞いたことがあるけれど、心理学なんて難しそう......」と思っていたファンには、絶好の一冊と言えるだろう。 本書で特に掘り下げられているのは、最新アルバム『Proof』にも収録される『MAP OF THE SOUL : 7』の3曲、「Intro : Persona」「Interlude : Shadow」「Outro : Ego」のタイトルである「ペルソナ」「影」「自我」について。いずれも重要なユング心理学用語だ。内容を一部紹介

 訳者の大塚紳一郎さんは、「ユング心理学からインスピレーションを得たという作品は数えきれないほどあるが、BTSのアルバムほどユング心理学と真剣に向き合い、確かな形で表現した作品は稀有なのではないか」と言う。 専門家をもうならせる、BTSの楽曲たち。彼らはユング心理学を通して、私たちに何を伝えたかったのだろうか。そしてなぜ、ユング心理学を題材に選んだのだろうか。この一冊で、BTSの世界がもっとわかり、もっと楽しめるようになるに違いない。

【目次】はじめに第1章 BTSと7という数字第2章 『MAP OF THE SOUL : 7』の歌詞の考察第3章 「こころの地図」についてPERSONA第4章 イントロダクション:ペルソナ第5章 BTS、ユング、本当の自分第6章 ペルソナとアイデンティティ第7章 自分を愛そう、自分の名前を知ろう、自分を語ろうSHADOW第8章 イントロダクション:影第9章 影EGO第10章 イントロダクション:自我第11章 自我第12章 世界共通言語としての音楽BTS、ユング心理学、マリー・スタイン先生──訳者あとがきにかえて

〈著・訳者紹介〉■マリー・スタインさんアメリカのユング派分析家。国際分析学会副会長。シカゴのユング研究所で20年にわたり教育分析家を勤める。2003年以来スイスに住み、現在はISAP Zurich(チューリッヒ国際分析心理研究所)の訓練分析家。2001‐2004年、IAAP(国際分析心理学会)会長、2008‐2012年ISAP Zurich所長。著書に『ユング 心の地図』(青土社)など多数。■スティーヴン・ビュザーさん医学博士。C.G.ユング研究所の2年間の臨床研修プログラムの卒業生で、アッシュビル・ユング・センターの共同創設者。20年以上にわたり個人で精神科医として働いてきた。Chiron Publicationsの発行人を務めている。■レオナード・クルーズさん医学博士。Chiron Publicationsの編集長で、アッシュビル・ユング・センターの共同創設者でもある。著書に『The Unconscious Roots of Creativity』、共著書に『DSM-5 Insanely Simplified』など。■大塚紳一郎(おおつかしんいちろう)さん1980年、東京生まれ。臨床心理士・公認心理師。2002年慶應義塾大学文学部卒。2009年甲南大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、大塚プラクシス。訳書に『ユング 夢分析論』『分析心理学セミナー』『心理学の7つの大罪』『医師が死を語るとき』(すべてみすず書房)など。

※画像提供:創元社

(BOOKウォッチ編集部)

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