まずは目で味わって。驚き、うっとりする「透明」スイーツの世界。

 「美しすぎる○○」や「世界一美しい○○」という表現をよく見かけるが、こんなにも「まさに!」と感嘆することはそうそうない。

 tomei/透明愛好家さんの『世界一美しい 透明スイーツレシピ』(KADOKAWA)は、シンプルでおいしく、息をのむほど美しい「透明」スイーツの作り方を紹介した1冊。

 華やかさを演出する「ゼリーケーキ」、フルーツやジャムを入れるだけ・混ぜるだけで日常を彩る「ソーダドリンク」、食べたい・飲みたいを合わせた「ゼリーポンチ」、「食べる宝石」とも言われる「琥珀糖」の構成。

 著者は、春夏秋冬や自然からインスパイアされてレシピを考えることが多いという。大事にしているのは、味と透明感の両立。これが難しく、イメージどおりになるまで何度も試作を重ねることもあるのだとか。

??「透明」スイーツの世界へようこそ

 ここからは、うっとりする「透明」スイーツの世界を目で味わってほしい。まるでジュエリー、はたまたガラス細工のよう。スイーツの域を完全に超えている。

■四角い桃の薔薇レアチーズケーキ キューブの中にピンクのバラが咲くような、四角いレアチーズケーキ。バラの正体は、なんと白桃の缶詰。白桃の甘味とチーズの酸味がよく合う。

book_20220713092915.jpg

■夜空の水信玄餅 透明なイメージの水信玄餅を夜空の色に。ちりばめられた銀箔が、星のようにきらめく。触感と色味を、手にとって確かめたくなる。

book_20220713093001.jpg

■ライムの皮でスイカ風ゼリー 赤と緑のコントラストが印象的。イチゴの風味にライムのほろ苦い香りが広がる不思議な味わい。イチゴとライムとは、なんとも斬新な組み合わせ。

book_20220713093032.jpg

 はじめに、「ゼリーケーキを作る前に」として「道具」「容器」「素材」を、「ゼリー液の基本的な作り方」として凝固剤ごと(粉ゼラチン・板ゼラチン・粉末寒天・糸寒天・アガー)の調理法を、写真つきで紹介している。

 お菓子作り初心者のことも考えられたつくりで、見やすくてわかりやすい。ここでは、「ゼリーケーキ」からレシピを2つ見ていこう。

??こんな涼しげなタルト、見たことがない

■透明なレモンタルト 身近に親しまれているタルト菓子をひと味違う角度で透明にアレンジ。ホイップクリームがふんわり浮かぶ雲のよう。

book_20220713093127.jpg

book_20220713093206.jpg

■材料クッキートルテ5号(市販) 1台A グラニュー糖 30g アガー 15g水 300mlバニラシロップ 大さじ3レモン汁 大さじ2ホイップクリーム 適量■レシピの主な流れゼリー液を作る。ゼリー液をクッキートルテに流し込み、冷やし固める。ホイップクリームで飾る。■作り方@[ゼリー液]を作る。ボウルにAを入れ、よく混ぜる。【POINT】アガーを使うと、柔らかい食感になってレモンの香りが引き立ちます。A小鍋に水、バニラシロップを入れ、@を加えて加熱し、混ぜながらよく溶かす。溶けたらレモン汁を加え、小鍋を氷水につけて粗熱をとる。【POINT】レモン汁は、レモンから搾ると、よりフレッシュな香りを楽しめます。Bタルト台にAを流し込み、冷蔵庫で冷やし固める。Cホイップクリームを絞って飾る。

??家に眠っていたアレが大変身

■缶詰丸ごとパイナップル寒天 材料はわずか3つ。パイナップルの輪を丸ごと包み込んだ優しいフォルム。家に眠っていた缶詰を使ったアイデアレシピ。

book_20220713093504.jpg

book_20220713093525.jpg

■材料パイナップルの缶詰 1缶(果肉10枚分)水 100ml粉末寒天 5g■レシピの主な流れパイナップルの缶詰の下準備をする。寒天ゼリー液を作る。寒天ゼリー液を缶に流し込み、冷やし固める。■作り方@パイナップルの缶詰はシロップと果肉に分ける。A缶のふたを取り、果肉を缶に戻す。B小鍋に缶詰のシロップ、水、粉末寒天を入れて加熱し、混ぜながらよく溶かし、少し煮詰める。【POINT】シロップが甘すぎるようなら、水を少し多く加えてもOKです。C茶こしを使ってBをAに流し込み、冷蔵庫で冷やし固める。【POINT】茶こしを使うとゼリーの透明度がアップ。見た目にこだわるなら、果肉1枚ごとに少しずつ寒天ゼリー液で固めても。

 本書はレシピのほか、「透明」スイーツの美しさをいっそう引き出すコツも紹介している。たとえば「写真の撮り方」。著者が撮影時に気をつけている基本は2つあるという。

 1つは、器はもちろん、周囲や背景も極力シンプルにすること。白、薄いグレーの背景やテーブルで。もう1つは、フラッシュは使わずに自然光で撮影すること。太陽の光が入る窓辺などで。

book_20220713093640.jpg

 「『透明』なスイーツを作り始めたのは、何より好きな『透明』と、身近なお菓子を組み合わせてみたら......と、思いついたことが始まり。(中略)お菓子を作る楽しみ方もあれば、写真も見て楽しめるようなみなさんにとって心に残る1冊になったらうれしいです」

 眺めるだけでこんなにも幸せな気分になれるスイーツなど、ほかにあっただろうか。夏といえば、そうめん、かき氷、スイカ......そこに「透明」スイーツを加えて、至福の時を過ごしてみては。

■tomei/透明愛好家プロフィール 透明愛好家。日常の中にある透明を集めている。涼やかで美しい、透明スイーツのSNS投稿が人気。本書の「おわりに」で、「将来の夢は、『透明』の博物館を作ること。今回のスイーツのほかにも、インテリアデザインや建築などさまざまなジャンルで『透明』を軸に発信していきたい」としている。

※画像提供:KADOKAWA

(BOOKウォッチ編集部 Yukako)

関連記事(外部サイト)