自分の両親を殺した強盗。医者はそれでも助けるべきなのか

 父母を殺した死刑囚、あなたならその命、救えますか?

 2022年7月29日、KADOKAWAから、長編医療ミステリ『殺人者の白い檻』(長岡弘樹)が発売された。

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 長岡弘樹さんは2005年のデビュー以来、現代社会の襞に切り込む作品を多数刊行してきたミステリ作家。なかでも2度テレビドラマ化された〈教場〉シリーズは「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門1位、「本屋大賞」6位と大きくヒットした。『殺人者の白い檻』は、その長岡さんの最新作。自分の両親を殺した死刑囚の命を救ってしまった脳外科医が主人公の医療ミステリだ。

 総合病院に勤務する優秀な脳外科医・尾木敦也は、六年前に実家へ押し入った強盗に襲われて父と母を亡くして以来、深刻なスランプに陥っていた。捨て鉢な日々を過ごす中、院長命令で緊急搬送されてきた死刑囚の開頭手術をしぶしぶ引き受けた敦也。ところが術後、命を救ったその患者が、両親を殺害した定永宗吾であったことを知る。そして定永は、死刑判決後も、自身の犯行を一貫して否認していた。敦也と妹の看護師長・菜々穂は、リハビリを通して六年前の事件に改めて向き合うことになり――。

 死刑の意義、犯罪更生の理非、医師の倫理、それぞれの命題を通して生命の「軽重」の問いを突きつける本作、真実はどこにあるのか?

■長岡弘樹(ながおか・ひろき)さんプロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車輪」で第25回小説推理新人賞を受賞し、05年に『陽だまりの偽り』でデビュー。08年『傍聞き』で第61回日本推理作家協会賞短篇部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門1位、「本屋大賞」6位となった。同作はフジテレビで2度、テレビドラマ化されて話題に。他の著書に『119』『夏の終わりの時間割』『巨鳥の影』などがある。

画像提供:KADOKAWA

(BOOKウォッチ編集部)

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