「手伝って」に殺意。自分のために使える時間がないと嘆くあなたへ

パートナーや友人、家族、同僚との良好な関係を続けるためには、適度な距離が必要だ。しかし、中には人の心に土足で踏み込んでくる人も。優しいあなたは、断ることもできず、つい言いなりに。心が乱され、ストレスに押しつぶされそうになることもあるのでは?

そんな方にぜひ読んでほしいのが本書。世界32か国で刊行され、ニューヨーク・タイムズ紙でベストセラーになったメンタルヘルス指南書の待望の邦訳版、『心の境界線 穏やかな自己主張で自分らしく生きるトレーニング』(学研プラス)だ。

 著者は「人間関係の専門家」として絶大な人気を誇るリレーションシップセラピストのネドラ・グローバー・タワブさん。ニューヨーク・タイムズ紙のほか、ガーディアン紙、サイコロジートゥデイ誌などのメディアに登場し、インスタグラムでは150万人を超えるフォロワーを獲得している。

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本書では「心の境界線」を設定することで、相手と円滑な人間関係をつくり、我慢せず、無理なく心の平穏を手に入れる最良の方法を、ネドラさんが具体的にコーチする。

心の境界線が必要になるのは、たとえばこんな場面だ。

・プレッシャーに押しつぶされそうなとき・人に手伝ってほしいと言われて、怒りを感じるとき・何か頼まれそうだと感じて、電話に出なかったり、話を聞くのを避けたりするとき・他人に力を貸すことについて意見を述べたのに、何の効果も得られないとき・疲れきっていると感じるとき・すべてを投げ捨てて消えてしまいたいと、何度も繰り返して思うとき・自分のために使える時間が、まったく取れないとき など

このような時、人は次のような症状に陥ってしまうとタワブさんは言う。

・燃え尽き症候群になる・いつ「ストップ」をかければよいのかわからない・自分より他人の事情を優先してしまう・他人の言いなりになってしまう・自分をヒーロー、ヒロインと同一視し、避けるべき対象に没頭してしまう・非現実的な理想を抱き、とらわれから逃れられない・「感謝してもらえない」と無力感に陥る など

周りに対して「NO」と言えないことで自身が受けるダメージは、「心の境界線」を設定することで回避することができる。心が無理をすることなく、相手に期待と欲求を伝えることができれば、お互いにとって円滑な人間関係を作ることができる。

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6種類の「心の境界線」

・「知的境界線」を引くとき(意見の違いを許さない、一方的な批判、嘲笑...)・「感情的境界線」を引くとき(感情の爆発、考えの押し付け、気持ちの否定...)・「物質的境界線」を引くとき(借りたものを返さない、大切にしてくれない...)・「時間的境界線」を引くとき(相手の仕事を中断、都合よい頼み事、深夜の電話...)・「物理的境界線」を引くとき(握手の強要、会話の距離、不適切なハグ...)・「性的境界線」を引くとき(容姿への性的な発言、性的表現を含むジョーク...)

本書では、職場、家庭、SNSといった様々な場面で「自分の意思を伝えて"断る"エクササイズ」「自分の過去を振り返って考える境界線の引き方のエクササイズ」「仕事・活動・責任を可視化するためのエクササイズ」をこなしていくことで、あなた自身を守る方法を解説している。

お互いを尊重し合える関係を築くためにも、距離感をしっかりと保ちつつ、相手を傷つけない自己主張を実践していこう。

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■目次

●PART1 心の境界線の重要性を理解する第1章 境界線って、いったい何のこと?第2章 心の境界線が必要な理由第3章 心の境界線を引いてみよう第4章 6種類の境界線第5章 境界線が侵されるとき第6章 境界線を明確にし、周囲に伝える第7章 境界線があいまいなとき第8章 トラウマと境界線第9章 自分の境界線を守るために何をするのか●PART2 さまざまな場面での境界線の引き方第10章 家族第11章 恋愛関係第12章 友人関係第13章 仕事第14章 SNSとテクノロジー第15章 最後に伝えたいこと

■ネドラ・グローバー・タワブ(Nedra Glover Tawwab)さんプロフィールリレーションシップセラピスト。米国ミシガン州デトロイトのウェイン州立大学で学士号を取得し、さまざまな困難を抱える家族やカップル、産前産後のうつ症状や不安障害、幼少期の精神的ネグレクトに苦しむ大人のための発展的なセラピーを実施している。14年間にわたり人間関係に関するセラピーに従事し、集団療法の診療所である「Kaleidoscope Counseling」を設立。同所のオーナーを務めながら困難な人間関係で「境界線」を引く方法を指導し、人々が健全な人間関係を築くためのサポートを続けている。

※画像提供:学研プラス

(BOOKウォッチ編集部)

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