上沼恵美子、介護も格差も乗り越えた姉妹円満の秘訣とは。

 親の介護や相続は、多くの人にとって避けては通れないもの。その人生の重大な局面で、親しみ合っていたはずの兄弟姉妹が仲違いすることが多いという。時には、何気ない言動がきっかけで遺恨が残ることも。

 歳を重ねて助け合えるきょうだいと、仲違いするきょうだいの差はどこにあるのだろうのか?

 8月12日発売の雑誌「婦人公論」2022年9月号(中央公論新社)の巻頭特集は、「お金と介護が分かれ道 きょうだいは支えか重荷か」。親の介護や相続をめぐって起きたきょうだい間トラブル、そのトラブルの乗り越え方について特集している。

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??きょうだいの仲違いを防ぐために

 介護が原因で起きる仲違いとして、最近増えているもの。それは、「きょうだいなら、自分と同じ思いで親を介護するはず」との期待が裏切られるパターンだという。

 例えば、自分が一生懸命介護をしているところに、任せっきりにしておきながら上から目線で介護のアドバイスをしてきたり、「施設に入れたら」と冷たく言い放ってきたりするきょうだいに対して、どうしても怒りを覚えてしまう、というもの。

 介護者メンタルケア協会代表で、祖母、母、弟の3人を1人で介護した経験を持つ理学療法士の橋中今日子さんによれば、介護をきっかけに起きるきょうだい間トラブルの根元には、「親の面倒は子がみなければならない」という、"介護の呪い"のような価値観があるそうだ。

 極端な話をすれば、子どもが親を介護するのは義務ではありません。私は介護に悩む相談者の方に、「できないならプロに任せていい」とアドバイスをしています。「そんな薄情な......」と言われる方が多いのですが、これが長引く介護に備えての前提です。(橋中さん)

 自分と同じ気持ちや行動をきょうだいに求めても、苦しくなるだけ。それよりは、それぞれの介護への向き合い方を尊重すると心得た上で、介護に協力してもらえるよう働きかけることが大切だと、橋中さんは指摘している。

 記事ではこのほか、今すぐ実行できる具体的なきょうだい喧嘩の避け方など、役立つ介護情報が紹介されている。

??海原千里・万里、姉妹円満の秘訣

 すれ違いが悪化して絶縁に至るケースがある一方、親の介護をきょうだい円満でやり遂げたケースもある。特集では、仲違いすることなく母の介護をつとめあげた、かつて漫才コンビ「海原千里・万里」として活躍した芦川百々子さん、上沼恵美子さん姉妹の対談も掲載されている。

 芸能界から早々に引退し、主婦として暮らす姉の百々子さんと、デビューから半世紀近くテレビやラジオで活躍し続けてきた恵美子さん。対照的な二人だが、母の介護に直面しても、収入に差が生まれても、不仲になることはなかったという。

 「お姉ちゃんの何がすごいって、私の活躍をひがまへんところよ」「私やったらひがむもん。ムッとするわ」と姉の性格の良さに恵美子さんが感嘆するのに対し、百々子さんは「一緒に漫才やってきて、人を笑わせることがどんなに大変かがわかってるから。恵美子は才能があって、伸び続けてるのがすごい」と妹を称賛する。

 置かれている立場が違っても、お互いに敬意を持ち続けられるのが、姉妹円満の秘訣なのかもしれない。

 特集ではこのほか、桐島かれんさん、桐島ノエルさんの対談「母・洋子の『認知症』を公表するのは最後まで悩んだ」、かしまし娘・正司花江さんへのインタビュー「近くにいるからお互い安心。『かしまし娘』の現在形」、山口恵以子さんのエッセイ「病を抱えた兄と暮らせば」、専門家のアドバイス「介護と相続で揉めないために」など、きょうだい関係と介護に関する気になる記事が多数収録されている。

 今号にはこのほか、以下の記事が掲載されている。

<80歳、最高の仕事と伴侶に感謝>やりたい芝居が多すぎて終活はまだ先ね白石加代子<パンダ日和>おめでとう! 双子パンダが1歳に撮影 高氏貴博<名優たちの転機>聞き手・文 関容子橋爪功<酒井順子の「大人は知りたいことばかり」>しんどくない料理のコツゲスト コウケンテツ<漫画アンソロジー>「女どうし」終活はじめましたおざわゆき3[新連載]佐藤愛子 思い出の屑籠

※画像提供:中央公論新社

(BOOKウォッチ編集部)

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