つい盛り上がって…海岸、河原、公園での花火 法律違反になるか、弁護士に聞いてみた
2023年08月13日 14時10分オトナンサー
お盆を過ぎると、夏の終わりが見えてきます。友人や家族たちと集まり、海岸や河原、公園などで花火を楽しむこともあると思いますが、法的な問題はないのでしょうか? 弁護士を直撃!
海岸、河原、公園での花火は法律違反?
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今夏もお盆を過ぎると、夏の終わりが見えてきてしまいます。友人や家族たちと集まり、海岸や河原、公園などで花火を楽しむこともあると思います。そもそも、海岸や河原、公園などで花火をすることは法的に問題がないのでしょうか。そこで芝綜合法律事務所の弁護士・牧野和夫さんに聞きました。
Q.「海岸」「河川敷」「公園」で花火をすることに、法的な問題は考えられるのでしょうか。
牧野さん「火薬類取締法では、火薬の消費について『火薬類を爆発させ、または燃焼させようとする者は、都道府県の許可を受けなければならない。ただし、信号、鑑賞、その他省令で定める数量以下の火薬類を消費する場合は、この限りでない(第25条1項)』という規制があります。違反した場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金とされています。
しかし、『省令で定める数量以下の火薬類を消費する場合は、この限りでない』とありますので、市販のサイズの花火を楽しむことについて、基本的には問題がないと思われます。『省令で定める数量以下の火薬類』とは、直径3センチを超える煙火(火薬類取締法施行規則)とされています。
また、玩具用花火についてですが、玩具用煙火として、条例で以下の様に規制されています。
<東京都火災予防条例>第26条
(1)玩具用煙火は、火災予防上支障のある場所で消費してはならない。
(2)玩具用用煙火を貯蔵し、または取り扱う場合においては、炎、火花または高温体との接近を避けなければならない。
(3)火薬類取締法施行規則(昭和25年通商産業省令第88号)第91条第2号で定める数量の5分の1以上同号で定める数量以下の玩具用煙火を貯蔵し、または取り扱う場合においては、ふたのある不燃性の容器に入れるか、又は防炎処理を施した覆いをしなければならない。
第1項の「火災予防上支障のある場所」については、次の場所が示されています。
(1)引火性または可燃性の物品を貯蔵し、または取り扱っている場所およびその附近
(2)強風時または異常乾燥時における木造家屋の密集している場所及およびその附近
(3)火の粉もしくは火花が落下し、または飛散する地点に可燃性の物品がある場所
第2項に定める炎、火花および高温体との接近防止のための措置は、次の例に示す通りです。
(1)玩具用煙火の近くで燃焼器具を使用しないこと。
(2)炊事場、風呂場などてで使用する熱源が影響する場所から安全な距離をとるか、または区画すること。
(3)店頭で陳列する容器には、ふた又は覆いを用いて、たばこの吸い殻などの火源が入ることを防止すること。
(4)裸電球の接近を避けること。
Q.花火が原因で、近隣住民に実害が出た場合、法的手段を取ることは可能なのでしょうか。
牧野さん「花火が原因で火災になったり、他人に損害を与えた場合、それを証明することができれば、民法の不法行為に基づき、花火をした人に対して損害賠償請求が可能です」
Q.花火に関する法的な注意点があったら教えてください。
牧野さん「茨城県大子町では、花火による火災を防ぐため『風の強いときは花火をしない』『燃えやすいものがなく、広くて安全な場所を選ぶ』『子供だけでなく大人と一緒に遊ぶ』『説明書をよく読み、注意事項を必ず守る』『水バケツを用意し、使った花火は必ず水につける』と知らせています」
Q.これまでに、花火に関連した事件や判例はありますか?
牧野さん「2018年5月、米オレゴン州の裁判所が、約200平方キロメートルが焼けた大規模な山火事の原因となった花火をした少年に約40億円の損害賠償を命じる判決を下しました。すでに刑事事件としては、2018年2月に5年の保護観察と1920時間のボランティア活動が言い渡されていました」
オトナンサー編集部
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