ファミコン時代の攻略本

ゲーム攻略本1985年に初登場

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ファミコンの攻略本は小学生程度の子供でも理解出来るように、難しい言葉は使わないで分かりやすく書かれていた・・・・・・。

現在ではゲームの攻略本は、書店に行けば当たり前のように店頭に並んでいる。
しかし、任天堂のファミリーコンピューターが世に出た当初は、まだゲームの攻略本は売られていなかった。


攻略本という概念そのものが、当時はまだなかったのである。
ゲームの攻略本が初めて発売になったのは、1985(昭和60)年のことで、ファミコンの発売から3年後のことだった。


ファミコンの出荷台数は、1985(昭和60)年が374万台、1986(昭和61)年が390万台で、記録を見るとこの2年間が出荷台数のピークだったことが分かる。


そしてこのタイミングでゲームの攻略本も誕生していたことになる訳だ・・・・・・。


現在ではゲームの攻略本というと、大きくて重たい、まるで辞書のような本を想像すると思うが、じつは当時の攻略本は、今にして思うと、信じられないくらい、小さく薄いものだった。


具体的に言うなら、サイズは縦17cm×横10・5cmほどで、厚さも1cmあるかないかというものがほとんどだった。
そしてこのサイズ感こそが当時の攻略本のスタンダードだったのである・・・・・・。


そして当時の攻略本の最大の特徴は、小学生、中学生程度の子供を対象に書かれていたということだろう。
だから解説には難しい言葉はいっさい使われていなかったし、漢字には全てふりがなが振られていた。


そして解説文も「〜してみよう」とか、「〜すればカンタンだぞ」とか、「〜しなくちゃね」といった具合に、子供に語り掛けるような口調で書かれていた。


また、「主人公はキミ自身だ!」というように、「キミ」という言葉もよく使われていたように思う・・・・・・。


当時の攻略本は初期に出たものほど、攻略本専用に描き下ろされた、漫画風のイラストが各ページにふんだんに使われていた。


しかも初期の攻略本は、表紙のイラストまでオリジナルのものが使われていて、タイトルがなかったら、もはや何の攻略本なのか、よく分からないものまであった。


これについては、次第にゲームのパッケージのイラストが、そのまま使われるようになって行ったので、やはり非公式のイラストでは、ちょっと問題があったのかもしれない・・・・・・。


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▲ファミコンの攻略本のサイズ感はこのくらい。こんなに薄っぺらの本でゲームの攻略が出来ていたのが信じられない・・・・・・。

表紙といえば当時の攻略本は、本の下の方に「帯」が巻かれているようなデザインに必ずなっていた。
これは実際に帯が巻かれている訳ではなくて、初めからそのように印刷されていたのである。


そしてこの「帯」の部分には、その攻略本の宣伝文句が簡潔に書かれていた。
で、ここに書かれている宣伝文句もまた、子供に向けて語り掛けるような口調になっていたのである・・・・・・。


そしてその攻略本をひょいと裏返すと、今では考えられないほど大きく、「定価」が書かれているのだが、その金額もまた、今では考えられないような300円台の価格設定だった。


現在ではゲームの攻略本というと、1500〜2000円台のものがザラに見られるが、当時は500円払えばお釣りが来ていたのだ。


というのも、当時のゲームのターゲットは主に小中学生だったので、攻略本も小中学生が買える価格帯でなければ売れなかったのだ・・・・・・。


ところで、私が当時購入して、現在も手元に残っているファミコンゲームの攻略本を見ると、なぜかその9割が徳間書店から刊行されているものだった。


そうはいうものの、私が現在も所有している攻略本の数なんて、たかが知れているし、「たまたまなのかなぁ」と思っていたのだが、これがどうもそうでもないようなのだ。


調べてみると、当時任天堂は、ファミコン用ゲームの攻略法や、ゲームの楽しみ方を解説する書籍、いわゆる「攻略本」の出版委託契約を、徳間書店と結んでいたようなのだ。


任天堂は発売前のゲームの内容を有料で徳間書店に提供する。
そして徳間書店はその情報を元に、ゲームの攻略法や楽しみ方を編集し、本にして出版するという契約内容になっていたようなのだ。


1985(昭和60)年にゲームの攻略本という概念が突然生まれ、攻略本が急に出版され始めたのは、どうやらこの出版委託契約があったからのようだ。


そしてその後、徳間書店は任天堂が発売する、ゲームソフトの取り扱い説明書の編集も行うようになって行くのである・・・・・・。


人気ゲームソフト、ドラゴンクエストの攻略本は、Vからはソフトの発売元のエニックス(当時)から、「公式ガイドブック」が発売されるのが通例となった。


ということは、ドラクエはUまでは、まだ「公式ガイドブック」は発売になっていなかったということになる。
なのでドラクエは、Uまでは他のソフトと同様に、徳間書店から例のコンパクトな攻略本が発売されていた。


ところがドラクエの「公式ガイドブック」は、TとUの分もなぜかちゃんとあるのだ。
じつはこれはVの「公式ガイドブック」が発売になってから、後付けで発売になったものだったのだ・・・・・・。


そしてちょうどこの頃から、ゲームの攻略本は年々大きく厚くなって行き、攻略本というよりは、データを集めた資料のような姿に進化して行くことになる。


そして攻略本は次第に徳間書店の専売特許ではなくなって行き、様々な出版社から発売されるようになって行った。
で、この頃からテレビゲームはじょじょに子供たちだけのものではなくなり、対象年齢がグッと引き上げられて行くことになったのだった。


そして今こうして、ファミコン当時の薄くてコンパクトな攻略本を読み返してみると、ゲームクリアを目指して、必死になって攻略本を読みふけっていた、子供時代の自分をちょっとだけ垣間見れた気がして、なんだかとっても懐かしい気分に浸れたのだった・・・・・・。