「謎フレーズ探偵」みっちゃんみちみちうんこたれて @

「みっちゃん」の歌 発祥は?

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「みっちゃんみちみちうんこたれて〜、紙がないから手で拭いて〜、もったいないから舐めちゃった ♪」


今も歌われているのかどうかは定かではないが、恐らくこの歌を知らない人はいないのではないか。
私の記憶ではこの歌は小学生の頃に、誰かが歌っていたのを初めて聴いた。


この手の歌というのは、「一時の流行り歌」という印象のものがじつに多いのだが、この歌に関してはそうではなくて、例えるなら、まるで童謡のような感じで、すでにそこに存在していた歌だった。


と、そうは言っても、歌詞を見てもらえば分かる通り、「本当にどうしようもねぇ歌」である。
きっと、名前に「み」が付く子供たちにとっては、迷惑極まりない歌だったろう。


「みか、みわ、みれい、みすず、みおり、みいひ」など、名前に「み」が付く子供なんて、自分の周りをちょっと見回してみたって、世の中にはたくさんいるのだ。


それに「みっちゃん」という愛称で呼ばれている子供は、なにも女の子だけとは限らないし、もっと言うなら、みよじの頭文字を取った「みっちゃん」だっているだろう。


そう考えると、この歌の被害者は、私たちの想像以上の人数に上るのではないか・・・・・・。


冒頭でも書いた通り、私の記憶では、「みっちゃんみちみちうんこたれて〜」という歌は、確か小学校に入ってから初めて聴かされた歌だったと思う。


ということは、世の中の「みっちゃん」たちも、きっとそうであったに違いない。


ついこの前までは、「みっちゃん」ではない子供たちとなんら変わりのない、平凡な日常を送って来たのに、小学校に入学した途端に、「みっちゃんみちみちうんこたれて〜」の洗礼を受けることになったのである。


これには世の「みっちゃん」たちは、「運命」を感じずにはいられなかったろう。
きっと、頭の中では、「ジャジャジャジャーン」と鳴り響いていたに違いない。


そして「みっちゃん」の両親は、子供からその話を聞かされて、「ああっ!そうだった〜!」と、この歌の存在にようやく気付くのだが、もはや「時すでに遅し」で、命名やっちまった感が否めない・・・・・・。


ところで、この「みっちゃんみちみちうんこたれて〜」の歌は、いくら調査を進めても、元歌や元曲らしきものが、なぜか全く見えて来ない。


それというのも、当時のこの手の歌というのは、元をたどって行くと、たいていテレビのお笑い番組や、アニメ、CMなどに必ず行き着くのだが、どうもこの歌に関しては、そうではないようなのだ。


そんななか、唯一、「Dr.スランプ」という漫画に、「みっちゃんみちみちうんこたれて〜」のフレーズが出て来て、主人公のアラレちゃんがこの歌を歌っているシーンをようやく確認することが出来た。


ちなみに「Dr.スランプ」は週刊少年ジャンプ誌上に、1980(昭和55)年5、6合併号から、1984(昭和59)年39号まで連載されていた。


また、「Dr.スランプ アラレちゃん」のタイトルでアニメ化もされていて、1981(昭和56)年4月8日から1986(昭和61)年2月19日まで、フジテレビ系列で毎週水曜日の午後7時から7時半の放送枠で放送されていた。


ところがこの歌は、「Dr.スランプ」発祥の歌という訳ではなかったようで、聞き取り調査をしてみると、どうやら「みっちゃんみちみちうんこたれて〜」の歌の方が、先に存在していたようなのである・・・・・・。


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また、これまで「謎フレーズ探偵」の記事でご紹介して来た歌は、まず最初に元になるメロディーがあって、そこにその当時流行っていたフレーズやワードを、様々な所から寄せ集めて来て、それを切り貼りして、1つの替え歌を作り上げていた。


しかし、そのようにして作られた歌というのは、全体を通してみると、歌詞がちぐはぐで、意味不明のものがほとんどなのだ。


ところが、この「みっちゃんみちみちうんこたれて〜」の歌は、歌詞を初めから終わりまで通して読んでみても、ちゃんと1つのストーリーになっていて、特に違和感は感じないのである。


そのことを踏まえて考えると、どうも「みっちゃんみちみちうんこたれて〜」の歌には、元歌や元曲は初めから存在していなかったのではないかと思うのだ。


これが何を意味するのかというと、どうやらこの「みっちゃんみちみちうんこたれて〜」の歌は、作者のオリジナルなのではないかということだ。


こんな風に書くと、なんだかシンガーソングライターみたいで、格好よく聞こえるのだが、歌詞を見てもらえば分かる通り、「どうしようもねぇ歌」であることに変わりはない。


で、こんなどうしようもねぇ歌を作るのは、どう考えても大人ではあるまい。
恐らくうんこ大好きな小学生ぐらいの子供が作った歌に違いない。


しかし、今となっては、その作者については調べようもなく、「作者不明」としか言いようがない。
そして驚いてしまうのは、この歌は19世紀にはすでに歌われていたらしく、昭和の初期にはもう全国へ広まっていたというのだ。


そして特筆すべきは、この「みっちゃんみちみちうんこたれて〜」の歌は、伝聞形式で広まって行ったにも関わらず、歌詞にはほとんど変化が見られないのである。


これまで「謎フレーズ探偵」で取り上げて来た歌は、人から人へ伝わって行く際に、聴き間違いなどで、歌詞に様々なバリエーションが生まれていた。


インターネットや携帯電話もない時代に、伝聞だけでここまで正確に全国へ伝播して行ったというのは、「奇跡的」と言ってもいいだろう。


という訳で、次回はそのあたりから、検証をして行きたいと思っている・・・・・・。


(画像上、里山を白く染め上げるウツギの花。画像下、5月中旬になってアカボシゴマダラが舞い始めた・・・・・・)