航空機で初の大西洋横断飛行を達成(1919年5月27日)

航空機で初の大西洋横断飛行を達成(1919年5月27日)

大西洋横断した航空機の歴史

 航空機で初の大西洋横断飛行達成というと1927年のアメリカの飛行機乗りチャールズ・リンドバーグの偉業を思い浮かべるかもしれません。しかし、リンドバーグの初の大西洋横断飛行は単独で無着陸飛行に成功したというものです。

 単独と無着陸という条件を除くと初めて大西洋の横断飛行に成功したのはアメリカ海軍のカーチスNC-4型飛行艇です。カーチスNC型は第一次世界大戦中に潜水艦に対する哨戒やドイツ潜水艦を避けることができる輸送手段としてアメリカからヨーロッパまで長距離を飛行できる航空機として開発されました。カーチスNCの開発は第一次世界大戦の終了までに間に合いませんでしたがアメリカ海軍はこの機体を使って大西洋横断飛行に挑戦することを決定しました。

 1919年5月8日、カーチスNC-1、NC-3、NC-4の3機は米国ニューヨーク州ロングアイランドのロックアウェイ海軍航空基地を出発しました。マサチューセッツ州チャタム海軍航空基地とノバスコシア州ハリファックスに立ち寄り、5月15日にカナダ東海岸のニューファンドランド島に到着しました。翌5月16日、3機のカーチスNCの大西洋中央ポルトガル西方沖のアゾレス諸島に向けて出発しました。緊急時のためアメリカ海軍の軍艦22隻が約80 kmの間隔で配備されました。これらの艦艇は夜間はサーチライトを使ってカーチスNCの飛行を支援しました。

 アゾレス諸島に向けた航路は悪天候で分厚い霧がかかっていました。この影響で海上に着水したNC-1は荒波で損傷、NC-3も機械的な問題を抱えており大西洋横断飛行を断念しました。NC-4は飛行を続け翌日の午後に約1,900 km先のアゾレス諸島に到着することができました。この飛行時間は15時間18分にもなりました。

 アゾレス諸島に到着して3日後の5月20日、NC-4はポルトガルのリスボンに向けて出発しました。ところが機体に問題が発生したため240 km先のアゾレス諸島内の島に着陸せざるを得なくなりました。そこでNC-4は修理され5月27日に再出発しました。アゾレス諸島とリスボンの間には飛行支援のためアメリカ海軍軍艦が配備されていました。NC-4は順調に航行し9時間43分をかけて5月27日にリスボンの港に着水しました。NC-4は世界で初めて大西洋横断した航空機となり、またアメリカとヨーロッパの本土間を初めて飛んだ航空機となりました。ニューファンドランドからリスボンまでの10日22時間かかりましたが実際の飛行時間は26時間46分でした。

カーチスNC-4と搭乗員
カーチスNC-4と搭乗員
搭乗員は左からリード・ストーン・ヒントン・ロッド・E.H.ハワード・ブリース
この写真には機関士のロードのかわりにハワードが映っている。
ハワードは怪我をしたため代わりに機関士ロードが任務についた。

 NC-4に搭乗したのは指揮官兼航空士のアルバート・クッシング・リード中尉、操縦士のウォルター・ヒントンとエルマー・ファウラー・ストーン、機関士のジェームス・ブリース、ユーゲン・ロード、無線士のハーバート・ロッドの6名です。6名はイギリスのプリマスでNC-1とNC-3の乗組員と再会し、その後、ロンドンやフランスのパリで盛大な歓迎を受けました。1929年2月9日にNC-4の搭乗員に米国の議会名誉黄金勲章が授与されました。

 なお世界で初めての無着陸大西洋横断飛行はイギリスの飛行家ジョン・オールコックとアーサー・ブラウンが1919年6月14日に成し遂げています。オールコックとアーサーはビッカース・ビミー機でカナダのニューファンドランド島のセントジョンからアイルランドのクリフデンまでの3186 kmを16時間12分かけて飛行しました。

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