子ども130人の誘拐事件「ハーメルンの笛吹き男」(1928年6月26日)

子ども130人の誘拐事件「ハーメルンの笛吹き男」(1928年6月26日)

"ハーメルンの笛吹き男"解説

 グリム童話に「ハーメルンの笛吹き男」という話があります。この話はヤーコブ・グリムとヴィルヘルム・グリムのグリム兄弟が1816年に出版した民話集「ドイツ伝説集」に収録したもので、ドイツの ニーダーザクセン州のハーメルンの街で1824年6月25日に起きた事件が元になっています。

 当時、ハーメルンの街ではネズミが大繁殖して住民が困り果てていました。ある日、色とりどりの服を着た笛を吹く男がやってきました。この男は住民に報酬と引き換えにネズミの退治することを提案しました。住民が男にネズミの退治を頼むと、男は笛を吹き始めました。すると町中にいたネズミたちが笛の音につられて集まってきました。男は笛を吹きながらヴェーザー川までネズミたちを引き連れて歩いて行きました。男はすべてのネズミたちを川の中に誘い込み退治しました。これで住民はネズミの大繁殖の悩みから解放されることになりましたが、男との約束をやぶり報酬を減額しました。

ハーメルンの笛吹き男のパレード
ハーメルンの笛吹き男のパレード(2009年、ハーメルンの街)

 約束を反故にされた男は住民が大切にしているものを代わりに頂くと言い残して街を去りました。そして1824年6月26日、男は再びハーメルンの街に現れました。この日、住民はセント・ジョン・ポールの日で教会を訪れて家を留守にしていました。男が笛を吹きながら街の中を歩くと家の中から子どもたちが出てきました。男は子どもたちを市外の丘まで引き連れていき、山腹の洞窟へと入っていきました。洞窟は内側から固く閉ざされて、男と子どもたちは忽然と姿を消してしまったのです。男についていった子どもの数は130人でした。伝承によっては脚が悪くて列に追いつくことができなかった子ども、耳が悪くて笛の音が聞こえなかった子どもは無事だったとされています。

 「ハーメルンの笛吹き男」の話は確かに伝承として残っており、何世紀にもわたって調査されましたが実際に何が起きたのかよくわかっていません。ネズミが大繁殖したという話も1559年頃に加えられた話でそれ以前の伝承にはネズミは出てきません。子どもたちを連れ去られた理由や子どもたちのその後についても様々な説があります。笛吹き男は犯罪者もしくは魔法使いや死神で子どもたちは不幸な結果になったという説もあれば、子どもたちがハーメルンから移民して別の街を作ったという説もあります。いずれにしてもわずかに残った記録を頼りにした確証のない説でしかありません。

 グリム童話の「ハーメルンの笛吹き男」の最後は子どもが読む童話として書き換えられているものが多くの場合は笛吹き男も悪者ではなく約束が果たされた後に子どもたちが無事に戻ります。

 自分は「ハーメルンの笛吹き男」からゲゲゲの鬼太郎の第2シリーズ第38話「隠れ里の死神」を思い出してしまいます。死神が隠れ座頭という妖怪から子どもたちを誘拐するように頼まれます。子どもたちは「時の橋」を渡り「隠れ里」という不老不死の世界へ連れていかれます。そそこでは400年前に誘拐された子どもまでが子どものままで暮らしていました。隠れ座頭は身勝手な善意で子どもたちを隠れ里に誘拐し永遠の命を与えていたのです。家に帰りたいという子どもたちを鬼太郎は連れて帰ります。子どもたちは親に会えると大喜びで鬼太郎の後をついていきますが「時の橋」の時間を遡ることはできなかったのです。

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