レトルトカレーの日(昭和43年 1968年2月12日)|ボンカレーの秘密を探る

ボンカレー 当初は地区限定

 昭和43年(1968年)2月12日は世界初の市販レトルト食品となった大塚食品の「ボンカレー」が発売された日です。当初は全国販売ではなく、阪神地区限定での販売だったようですが、この発売日を記念して大塚食品は2007年に「レトルトカレーの日」を定めました。日本記念日協会にも登録されています。

 最初の「ボンカレー」にはポリエチレンとポリエステルの半透明のパウチが使われていました。そのため光と酸素を完全に遮断することができず、賞味期限は数ヶ月しかありませんでし。その後、アルミ製のパウチを使うことによって賞味期限を2年にすることができるようになり、1969年5月から全国発売開始となりました。

 「ボンカレーの日」ではなく「レトルトカレーの日」としたことに敬意を払います。大塚食品はたいへんな苦労をしてレトルトカレーを実現したはずなのですが、レトルトパウチなどに関する特許は取っていません。この技術が広まれば多くの国民が美味しい料理を手軽に食べられるようになると考えてくれたのでしょう。レトルト食品の技術を独占するべきではないとの経営判断をされたようです。

 自分は1968年2月は関東地区に住んでいたので、半透明のパウチの「ボンカレー」は見たこともありませんし、その存在すら知る由もありませんでした。「ボンカレー」の全国販売が始まると、女優の松山容子さんのホーロー看板を見かける機会が多くなりましたが、「ボンカレー」の存在を決定的に認知したのは笑福亭仁鶴さんの「三分間待つのだぞ」の台詞で有名な「子連れ狼」のパロディCMだったと思います。このCMが流行ったのは小学校低学年の頃と思います。

 当時、カレーと言えば家で材料から作って食べるものか、レストランで食べるものでした。なぜお湯で3分間温めるだけでカレーができるのかとても不思議だったのです。比較的高価なインスタント食品でもあり、家で食べる機会もありませんでしたので、「ボンカレー」の謎は深まるばかりです。

 「ボンカレー」は1971年発売のカップヌードルに続いて不思議な食べ物だったのです。カップヌードルは、実際に食べたときに、お湯を入れる前に封を開けるので、乾燥したラーメンと具が熱湯で茹で上がる仕組みであることはすぐにわかりました。

 やがて「ボンカレー」を食べる機会がありました。土曜日の午後から旅行に出かけるので、学校から急ぎ帰って食べたのが「ボンカレー」でした。「ボンカレー」は不透明なアルミパウチを開けることなく、熱湯で3分間温めることによって出来上がります。パウチを開けると、カレールーが出来上がっているのです。果たしてパウチの中で何が起きているのかとても謎でしたが、急いで食べる必要があったし、お湯で温めたのも母親だったので「ボンカレー」を詳しく観察することはできなかったのです。

 「ボンカレー」の謎は学校でも友達と話をしていました。熱湯で温めることで中で何が起きるのかあれこれと言い合いましたが、ある日、確かめようということになって2人でお小遣いで一袋ずつ買ったのです。そして、自分の家で一緒に「ボンカレー」の謎を探りました。パウチを触るとブヨブヨしています。このブヨブヨがカレーになる。最終的に「ボンカレー」を温めないで封を切るという、「ボンカレー」が食べられなくなってしまう可能性のある勇気のいる方法を選択することを決断したのです。

 二袋とも同じ実験をするのはもったいないので、まずは自分のパウチから開けることにしました。

 おそるおそるパウチを開けました。

 中から出てきたのは温まっていないカレーでした。

 あっという間に「そりゃそうだ」という結論に至ったのです。

 そして、常温のカレーも美味しかったのです。友達もさっそく自身の「ボンカレー」の封を切り、常温のカレーを食べ始めました。

 親に隠れて何か悪いことをしているかのように、2人で顔を合わせて苦笑い。

? かくして「ボンカレー」の秘密が解き明かされたのです。

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