神主は食べていけない 収入は年間数十万程度で会社員などを兼業しているケースも

神主は食べていけない 収入は年間数十万程度で会社員などを兼業しているケースも

記事まとめ

  • 東北のある神社の宮司は「もうすぐ震災から6年ですが、うちの復興はまだまだ」と話す
  • 三つの神社の宮司を兼ねているが、収入は、年間数十万円程度で平日は地元企業の社員
  • 「震災以降の神社運営は、完全に会社員としての給料からの持ち出し」と語っている

神主は食べていけない 末端神主たちの神社本庁への嘆き



●対立するのは無意味

 安倍政権への影響力もどこまであるか疑わしい。神社本庁は「総理大臣は靖国神社に参拝すべきだ」と一貫して主張してきたが、安倍晋三首相は第1次政権時代には靖国参拝を行わず、第2次政権発足以降も13年12月26日の一度しか参拝をしていない。神道の祭祀には米が重要な供え物として使われる。神社本庁は日本の農業への保護的な政策を政界に求め、TPPにも懐疑的だった。しかし安倍首相は、あっさりとTPP交渉への参加を表明した。東京都内にある有名神社の氏子組織幹部は、こう話す。

「私は地域の共同体の核として神社を崇敬し、その維持管理に協力しているだけで、神社本庁の信者ではない。神社が選挙への協力を求めるのは筋が違う」

 また前出の神道政治連盟に関係するある国会議員の秘書は、

「神社のお祭りに顔を出して有権者にあいさつするのは政治家にとっての基本のキ。政治家が神社と対立していいことは何もなく、その流れで神道政治連盟とも交流している。イデオロギー的な意味合いはほとんどない」

 と語る。いずれも「神社と政治」の実態を象徴するような話だろう。天皇・皇室への崇敬なくして神道思想は成り立たない。また神道が事実上の国教の地位にあった戦前を「神道の黄金時代」ととらえ、そこへ回帰したいと考える神主たちは確かに存在する。ただし、それらの思想を軸に神社界が一丸となって大きな政治運動のうねりをつくりだす、などということは難しい。

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