ありえないような未来像にこそ 明日の危機とチャンスが潜んでいる

ありえないような未来像にこそ 明日の危機とチャンスが潜んでいる

新井本昌宏(にいもと・まさひろ)
PwCコンサルティング合同会社
シニアマネージャー
メーカーにて生産技術、研究開発に従事。その後、複数のコンサルティングファームを経て、2014年10月から現職。現在までに、機械、電機、部品、食品、医薬品等の製造業並びに建設業における新規事業開発、技術戦略策定、研究、開発、設計、生産技術、品質保証、プロダクトデザイン領域の業務改革等のコンサルティングを数多く経験。経営から現場までの一貫性と、事業と技術の整合性を重視し、短期的な成果の獲得と、中長期的に成果を獲得し続ける組織能力向上を同時に支援する。

本連載では、部品メーカーがデジタル大変革時代を生き抜くために必要な未来創造の取り組みについて解説している。今回は、未来創造において必要性が高いタスクの1つである「未来シーンの発案」を取り上げる。

■未来シーンの発案とは

 未来シーンの発案とは、未来の世界がどうなっているか、あるいは未来をどのような世界にしたいか、といったアイデアを生み出すことである。目的は、未来の世界で自社が提供できる価値を見極めることや、未来を創るために貢献できることを見極めることの拠り所とすることである。どのような未来であるかは典型的なシーンを描くことで示す。具体的には、文章、絵、動画、VRなどを組み合わせて表現する。以前は未来の世界はどうなっているかを予測することが主流であったが、現在は未来をどのような世界にしたいかを創ることが主流である。未来は他人事として予測してもなかなか当たるものではないが、主体的に創る努力をすれば実現できるためである。

■未来シーン発案タスクの企画

 一口に未来と言っても、それが何年後のことなのか、またどの場所なのかによって変わってくるため、未来シーンの発案は企画を立案した上で行う。この企画はベーシックかつシンプルなものでよい。すなわち、目的(何のために未来シーンを考えるのか)、対象(何に関するシーンを考えるのか)、時期(いつ頃の未来を考えるのか)、場所(どこの未来を考えるのか)、発案方法(どのようなメンバーで、どのように議論を進めるのか)といった必要最低限の内容を決めておく。

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