企業守る「ホワイトハッカー」を官民で奪い合う愚

企業守る「ホワイトハッカー」を官民で奪い合う愚

富士通グループの情報セキュリティー人材の研修施設。社内の技術者や学生などからホワイトハッカーを発掘、養成する 写真提供:富士通

犯罪者によるハッキングから企業を守る正義のハッカーの争奪戦が激化している。政府が企業からの中途採用を増やしているからだ。民間からは、「各省縦割りでの採用は適材適所を妨げ、セキュリティーの向上に逆行する」との声が上がっている。(「週刊ダイヤモンド」編集部 千本木啓文)

 政府が情報セキュリティーの強化に躍起になっている。サイバー攻撃が集中するとみられる東京五輪が2020年に迫っているためだ。インターネットにつながる機器が増え、サイバーテロの脅威が高まる次世代通信「5G」の導入も同時期に始まる。

 情報セキュリティー対策の最大の課題が人材確保だ。20年に19万人の情報セキュリティー人材が不足するとの政府試算もある(経産省による16年の試算)。

 特に不足しているのが、有事の際、攻撃者の手法を理解して対処したり、技術者を育てたりできる正義のハッカー(ホワイトハッカー)だ。

 情報セキュリティー業界にとって、ホワイトハッカーは希少な人材だ。大手企業の現在の人員は、NTTデータ20人超、日立ソリューションズ11人、富士通9人、さらにセキュリティー専業のラックがマネジャークラスで20人(他に攻撃者の行動把握など特定分野に特化した高度人材80人)を抱えるなどいずれも少数精鋭だ(各社でホワイトハッカーの定義が異なり、人数の単純比較はできない)。

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