車椅子の歌姫が生活保護に支えられて掴んだ「自立」とは

車椅子の歌姫が生活保護に支えられて掴んだ「自立」とは

「車椅子の歌姫」として知られる歌手・エッセイストの朝霧裕さんが、生活保護に支えられて掴むことができた「自立」とは

■生活保護に支えられる「車椅子の歌姫」とは

 2018年9月8日、「車椅子の歌姫」として知られる歌手・エッセイストの朝霧裕(あさぎり・ゆう)さんは、「第10回彩の国ゆめコンサート(ゆめコン)」のステージで、最後の1曲『名前で呼んで』を歌い上げた(動画はこちら)。

「すべての人が『その人』として大切にされてほしい」という願いを込めた歌だ。会場を埋め尽くした約300人の観客は、朝霧さんと仲間たちに大きな拍手を注ぎ続け、朝霧さんたちは晴れやかな笑顔で応えた。「ゆめコン」は、この日が最終回だった。

 朝霧さんは生まれつきの難病のため、全身の筋力が極めて弱い。筋肉の量も少ないため、136cmの身長に対して体重は30kgにも満たない。生まれてから一度も、自分の足で歩けたことはなく、現在も「車椅子からベッドに移動する」「入浴する」「トイレに行く」「置いてある本を手に取る」など、日常生活の動作の多くで介助を必要とする。また内蔵の筋力も弱いため、風邪のようなありふれた病気が、しばしば生命に関わる事態を引き起こす。したがって、24時間介助は必須だ。

 生存と生活、そして様々な活動の基盤になっているのは生活保護だ。2001年、22歳だった朝霧さんは、さいたま市のアパートで1人暮らしを始めて以来、生活保護を利用し続けている。

1 2 次へ

関連記事(外部サイト)