三菱電機の裁量労働制全廃は過労死防止策として正しいか

三菱電機の裁量労働制全廃は過労死防止策として正しいか

長時間労働を是正するためには、裁量労働制、時間労働制どちらの制度であっても、社員の健康管理への取り組みが欠かせない Photo:PIXTA

労災認定された5人のうちの3人が裁量労働の社員だった三菱電機が、長時間労働を是正するために、裁量労働制を全廃した。しかし、裁量労働制を全廃すれば過労死がなくなるとは、私には思えない。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

■裁量労働制は長時間労働の元凶なのだろうか?

 三菱電機で裁量労働制が適用されていた社員のうち、1人が過労自殺し、2人が脳疾患を発症し、労災認定された件を受けて同社は、再発防止のために、「厳格に労働時間を把握するため」という理由で、裁量労働制を全廃した。裁量労働制の拡大を含む働き方改革関連法案が、2019年4月から順次施行されるにもかかわらず、真逆の動きだ。

 しかし、裁量労働制を全廃すれば長時間労働は是正され、過労死はなくなるのだろうか。私にはそうは思えない。

 裁量労働制の適用者は、実際の労働時間ではなく、労使であらかじめ決めた「みなし労働時間」により給与が計算される。時間労働制の社員に支払われる22時以前、5時以降の「普通残業手当」は支払われない。例えば、みなし労働時間が10時間だった場合、朝9時から21時まで休憩1時間を除く11時間働いたとしても労働時間は10時間とみなす。逆に、実働が9時間であっても、やはり労働時間を10時間とみなす。

 大事な点は、時間労働制の社員はもちろん、裁量労働制の社員に対しても、実際の勤務時間管理と健康維持のための取り組みが、会社と社員に義務付けられていることだ。

1 2 次へ

関連記事(外部サイト)