「ヘルシー」から「ハッピー」へ医療はいかに拡大するのか

「ヘルシー」から「ハッピー」へ医療はいかに拡大するのか

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医療の概念が大幅に拡大している。人々の健康観、人生観が多様化する中、医療はもはや病気を治す、心身の健康を維持するという目的にとどまらず、QOL(生活の質)やウェルビーイングといった言葉で表される「豊かさ」の達成が求められているのだ。答えのない領域に広がりつつある医療に対して、広告やロボティクスといったさまざまな分野とのコラボレーションによって、課題の発見と解決に取り組むのが東京医科歯科大学の武部貴則氏だ。同大学と横浜市立大学医学部の両大学で史上最年少教授に就任した俊英の見据える先とは。(聞き手/三菱総合研究所先進技術センター センター長 関根秀真、構成/フリーライター 二階堂尚、ダイヤモンド社 音なぎ省一郎)

■生活の質を高める要因を見いだす医療

関根 武部先生は「イネーブリング・ファクター」という考え方を提唱されています。

武部 「イネーブリング(Enabling)」とは、個人の自立や成長を促すという意味です。これまで、医療の目的は人々を「健康」にすることであると考えられてきました。健康を損ねることがないように予防をし、病気になったら健康な状態に戻す。それが医療の役割だったわけです。

 しかし、社会や人々の生活が大きく変化する中で、単に健康であるだけでなく、楽しさや喜びを同時に実現し、生活の質をトータルに向上させることが医療にも求められるようになってきています。

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