「自動車一本足打法」で日本沈没、分水嶺を迎えた日本経済の行方

「自動車一本足打法」で日本沈没、分水嶺を迎えた日本経済の行方

自動車に大きく依存した経済運営は難しくなり始めている。特に、EVシフトは決定的だ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

11月から国内の自動車生産台数が回復し始めた。にもかかわらず、日本株の上値は重い。対照的に、米国の株価は最高値を更新し続けている。カネ余りの影響に加えて、GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)等のIT先端企業が経済運営の効率性を上げている。わが国経済は、「自動車一本足打法」を続けるか否かの分水嶺を迎えた。このまま自動車依存が続けば、わが国の地盤沈下は避けられず、国民の生活水準をも引き下げなければならない恐れが出てくる。それほど脱炭素やデジタル化への遅れは深刻だ。(法政大学大学院教授 真壁昭夫)

■HVは向かうべき「旗印」だったEVではすり合わせ技術の重要性が低下

「自動車一本足打法」と揶揄されるほどに、わが国経済はハイブリッド車(HV)を中心とする自動車産業への依存度が高い。その一方で、脱炭素を背景に、世界的な電気自動車(EV)シフトが鮮明である。その変化に、わが国経済全体の対応が遅れ、今後の成長が懸念されている。

 一つの例として、工作機械関連銘柄の株価が不安定だ。過去、自動車の生産が増える局面で、工作機械メーカーの業績への期待が高まる傾向にあった。端的に、工作機械メーカーにとってHVは向かうべき「旗印」だった。精緻な「すり合わせ技術」に磨きをかける自動車メーカーの要望に応え、工作機械メーカーはより微細な製造技術を実現した。

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