【悪い奴はみんなでチクチク攻撃】キャンセル・カルチャーが「正義」になった理由

【悪い奴はみんなでチクチク攻撃】キャンセル・カルチャーが「正義」になった理由

Photo: Adobe Stock

「30人の幼児と自分の娘、どちらを助ける?」
ソクラテス、プラトン、ベンサム、キルケゴール、ニーチェ、ロールズ、フーコーetc。人類誕生から続く「正義」を巡る論争の決着とは?
いじめによる生徒の自殺をきっかけに、学校中に監視カメラを設置することになった私立高校を舞台にした小説、『正義の教室 善く生きるための哲学入門』が刊行された。「平等」「自由」、そして「宗教」という、異なる正義を持つ3人の女子高生のかけ合いから、「正義」の正体があぶり出される。作家、佐藤優氏も「抜群に面白い。サンデル教授の正義論よりもずっとためになる」とコメントを寄せている。「現代の正義」について、著者の飲茶氏に伺った(構成/前田浩弥)

■「悪い奴はみんなでチクチク攻撃」、現代の正義とは?

 電車に乗っているとき、同じ車両にめちゃくちゃ暴力的な人がいたとしましょう。決して空いてはいない車内で、座席に寝転がり、たばこを吸い、注意した人を殴りつけています。

 ここで、どのような行動をとるのが「正義」でしょうか。

■「暴力おじさん」にどう立ち向かう?

 20世紀の「白哲学」(絶対主義)の正義は、「どう考えても悪いのは、座席に寝転がり、たばこを吸い、注意した人を殴りつけている暴力的な人。だから『お前は間違っているんだ』と直接立ち向かい、行動を正すべき」です。

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