単なる「雑学好き」で終わる人と、本当の教養を手に入れる人の差



書物蔵:おっしゃるとおり、資料検索のスキルを磨かないことには、古い資料を「面白がる」「珍しがる」というところから出られません。

 デジコレが公開された当初、『エロエロ草紙』(昭和5年)という戦前のエロ本がネットで話題になり、復刊企画にまでつながるなど、ちょっとしたムーブメントになりました。こういう楽しみ方もいいのですが、データベース上の縦や横のつながりを見渡すことができれば、当時のエロ本が実は「おしゃれで上品」な出版物だったという別の景色も見えてきます。せっかく膨大なデータベースがあるのですから、ピンポイントで「珍本」を発掘するだけで終わるのはもったいないと思いますね。

読書猿:今回、「個人向けデジタル化資料送信サービス」に関する報道が出て、ネットでもバズっていたとき、マシュマロ経由で僕に質問が来たんです。「国会図書館のデータが家で読めるのなら、ハコ(本館)は要らないのでは?」と。素朴に考えればそういう発想になるのでしょうが、やはりそういう話ではないですよね。

 というのも、データベースを十全に使いこなすには、背景知識やレファレンスの技術が必要だからです。図書館に行けば司書さんがいるので、その人たちがサポートしてくれますが、そういう支援を受けられないときに、個人にどれほどのことができるのか。

 世の中の誰もが図書館を使い慣れているわけではないし、使い方を誰に聞けばいいのかわからないという人も多いでしょう。

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