単なる「雑学好き」で終わる人と、本当の教養を手に入れる人の差



書物蔵:ここ10年ほどの図書館業界の流行は、ある事柄に対する参考文献のリストをネットに置いて共有するというもの。英語では「ライブラリー・パスファインダー」といいます。これを一生懸命やっているのが国会図書館ですね。その一環で、人文リンク集のようなリンク集を公開しています。ただ、運営側の手間もかかるし、すべての事柄に対してリストがあるわけでもないのだけど。

読書猿:イメージとしては、インターネットの黎明期によく見かけた「リンク集」ですね。リンク集もそうですが、参考文献リストもメンテナンスを怠ると使い物にならなくなる。せっかくのリストも、つくりっぱなしになっているところが多いのはもったいないですよね。

 その意味では、Wikipediaのように一定のメンテが入り続ける仕組みを構築できればいいのかもしれません。Wikipediaがうまく機能しているのは、どの国の人も百科事典がどういうものか知っているから、百科事典のイメージを共有しているからだと思うんです。国民国家ができてしばらくすると、どの国も自分たちの言語で書かれた百科事典をつくった。その知的遺産の上にウィキペディアは花開いたのだと思いますね。

 小ぢんまりとしたデータベースであっても、メンテと更新をやり続けることができれば、きっと面白いものになる。今回の資料配信をきっかけに、そういうムーブメントに興味を持つ人が増えればいいなと思いますし、僕自身も参加していきたいと思っています。

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