イノベーションをつくるのは、「文化」である
2022年05月31日 06時00分 ダイヤモンドオンライン
どうしてマクドナルドはハンバーガーを世界中に売ることができたのか? スターバックスはなぜ世界中の街角にあるのか? 一部の社会現象である「ヴィーガン」はいかにして世界的なトレンドになったのか? これらのイノベーションの背景には、ひとつの共通項がある。それはこれらが、新しい文化をつくったということだ。京都大学経営管理大学院で「文化の経営学」を専門とする山内裕教授は、これら人々を魅了するものの背景を読み解き、事業を文化の観点から設計する「文化のデザイン」を提唱する。この連載では、社会で活躍する企業のビジネスリーダーやアーティスト、デザイナーらを取材し、ビジネスに活かせる文化のデザインをお届けする。(構成:森旭彦)
■イノベーションは、文化の産物
イノベーションは、利用者の潜在ニーズを満たすこと、あるいは利用者の問題を解決することだと言われます。あるいは、デザインのよいキレイなもの、カッコいいものが、多くの人々を魅了することで実現されると考えられています。
しかし、実際のイノベーションは、そのような方法で生まれてはいません。それらはイノベーションの要素や結果です。イノベーションが生まれるためにもっとも必要なことは、「文化をつくる」ということなのです。
私はアップルやグーグルがインターネットによって世界の構造を大きく変化させていく時代の中を、通称シリコンバレーにある「パロアルト研究所(Palo Alto Research Center、PARC)」で研究者として過ごしていました。
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