トム・クルーズも来た香港の水上レストランの悲しい末路…盛衰の必然を考察

トム・クルーズも来た香港の水上レストランの悲しい末路…盛衰の必然を考察

香港・アバディーン地区の港に浮かぶ水上レストラン「ジャンボ」 Photo:iStock/Getty Images Plus

6月14日、香港を代表する水上レストラン「ジャンボ・キングダム(珍宝王国)」が約半世紀の歴史に幕を閉じた。大勢の人々に見送られながら、タグボートにえい航され香港を去ったが20日、南シナ海で転覆し、沈没したと報じられた。かつて大勢の日本人観光客を魅了した「ジャンボ」の盛衰を振り返る。(ジャーナリスト 中島 恵)

■香港を去り1週間もたたずに沈没……有名水上レストラン「ジャンボ」

 香港だけでなく、世界的にも有名な水上レストラン「ジャンボ」は1950年代、水上生活者が多いアバディーン地区に浮かぶレストランの一つとして誕生したが、1976年、マカオの「カジノ王」といわれるスタンレー・ホー氏が経営権を持ち、約3000万香港ドル(現在のレートで約5億1000万円)の資金を投じてオープンさせたのが正式な始まりとされる。

 全長は約76メートル。海に浮かぶ“竜宮城”を思わせるような豪華絢爛(けんらん)、中華風の建築様式で、渡し舟に乗って行くスタイルなどが外国人観光客の間で人気となり、80年代以降、香港観光の象徴的な存在となった。

 船内は3階建てで、一度に2000人以上を収容することが可能。ウエートレスは派手なチャイナドレスを身にまとい、内装や調度品も中国の宮殿をほうふつとさせるデザインで統一。まだ中国への渡航が難しかった時代、中国の宮廷文化を疑似体験できるテーマパークのようでもあった。

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