BTSの「活動休止」が教えてくれた“立ち止まる勇気”

BTSの「活動休止」が教えてくれた“立ち止まる勇気”

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韓国の人気アーティストBTSの突然の「グループ活動休止」というニュース。その前日に彼らのデビュー9周年を迎え、お祝いムード冷めやらぬ中の寝耳に水の出来事だった。『あやうく一生懸命生きるところだった』や『K-POP時代を航海するコンサート演出記』などの韓国書籍の翻訳を手がける翻訳家の岡崎暢子氏によると、今回のBTSの決断には、昨今の韓国エッセイのメッセージに通じる空気が感じられると言う。

■世界が衝撃を受けた「防弾会食」

 先月世界中を駆け巡った、BTSの活動に関するニュースは日本でも大きな反響を呼びました。「防弾会食」と銘打ったユーチューブ動画で、今後ソロプロジェクトにも注力していくことをメンバー自身の口から打ち明けたことも、そこで彼らが見せた涙も、前日6月13日がデビュー9周年というアニバーサリーだったこととの温度差も、インパクトは十分すぎるほどで、すべてが衝撃的でした。

 そこから約ひと月ほどが過ぎた今、7人のメンバーのうち、J−HOPEのソロ活動がその口火を切って、彼らが言うBTSの「チャプター2」は着実に進行しています。事務所が描いている(たぶんメンバーの兵役服務までをも組み込んだ)数年間のプランの序章なのだろうなと、いち韓国カルチャー好きの私は想像しています。

 私自身、『あやうく一生懸命生きるところだった』をはじめとした韓国エッセイを中心に、韓国の本の翻訳を手がけていることもあり、日常的に韓国社会と出版物の傾向について考えることも多いのですが、今回のBTS(と、もちろん所属事務所)の決断には、最近の韓国エッセイに綴られているメッセージと相通ずる部分があるなあと、しみじみ感じ入っているところです。

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