【経営の神様】ジャック・ウェルチが自分をとても小さな人間と感じた出来事

【経営の神様】ジャック・ウェルチが自分をとても小さな人間と感じた出来事

Photo: Adobe Stock

多くの日本人は気づいていなかったが、2000年以降のアメリカでこの100年起こっていなかった異変が進行していた。発明王・エジソンが興した、決して沈むことがなかったアメリカの魂と言える会社の一社、ゼネラル・エレクトリック(GE)がみるみるその企業価値を失ってしまったのだ。同社が秘密主義であることもあり、その理由はビジネス界の謎であった。ビル・ゲイツも「大きく成功した企業がなぜ失敗するのかが知りたかった」と語っている。その秘密を20数年にわたって追い続けてきたウォール・ストリート・ジャーナルの記者が暴露したのが本書『GE帝国盛衰史 「最強企業」だった組織はどこで間違えたのか』(ダイヤモンド社刊)だ。電機、重工業業界のリーダー企業だったこともあり、常に日本企業のお手本だった巨大企業の内部で何が起きていたのか? GEの黄金期を経て祝福されてリタイアしたジャック・ウェルチ。その大事なセレモニーの日に、歴史的な悲劇が襲った。(訳:御立英史)

■祝福にあふれたセレモニーになるはずだった

 ウェルチはGEで40年間、そのうちの半分をCEOとして過ごしたのち、セレブとして引退した。トップの座を引き継いだあとの最初の1週間、ニューヨークのトランプ・タワーの47階にある豪勢なアパートで過ごした。GEが所有し、トランプの名を冠して再開発したビルだ。セントラルパークの角に位置するウェルチの豪邸からは、マンハッタンの中心にある緑の海が一望できる。

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