ペロシ氏訪台で「アジア主戦場の米中新冷戦」の足音、日本に覚悟はあるか

ペロシ氏訪台で「アジア主戦場の米中新冷戦」の足音、日本に覚悟はあるか

Handout/Getty Images News

米国のナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪れ、世界中で議論を呼んでいる。経済危機を避けるため、米中が対話の可能性を模索しつつあった中、その努力を無に帰したからだ。中国はペロシ議長の訪台を受けて大規模な軍事演習を実施し、台湾だけでなく米国を挑発している。このことは、もし今後の世界で「新冷戦」があるならば、その主戦場が「北東アジア」であることを明示したといえる。冷戦といえば、ウクライナ戦争の渦中にあるロシアを想起し、意外に思う読者がいるかもしれないが、ロシアの脅威はもはや幻想にすぎない。そういえる要因を詳しく解説する。(立命館大学政策科学部教授 上久保誠人)

■米ペロシ議長の訪台を受け中国が大規模軍事演習に走ったワケ

 米国のナンシー・ペロシ下院議長が8月2日夜に台湾を訪れて、蔡英文台湾総統と会談した。ペロシ議長は会談で、世界的に「民主主義VS権威主義」の対立構造が鮮明になっていると指摘し、「米国は揺るぎない決意で台湾と世界の民主主義を守る」と強調した。

 また、ペロシ議長は今回、中国民主化運動の元学生リーダー、ウアルカイシ氏ら人権・民主運動関係者と会談したという。加えて、半導体受託生産世界最大手・台湾積体電路製造(TSMC)の劉徳音会長とも会談したと報じられている。

 だが中国は、ペロシ議長の訪台に強く反発した。

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