なぜ人々はオンライン・コンテントにお金を払うようになったのか?

なぜ人々はオンライン・コンテントにお金を払うようになったのか?

ベルリンの複合映画館“CineStar”の電光ポスター。「映画」は映画館から生まれるだけでなく、Netflixのように映画館上映をパスして、視聴者のスマホに直接配信される時代を迎えている

GoogleやFacebookなどの「無料」のサービスやコンテントは、ユーザーの個人データを莫大な利益に変えることで成立しています。「ただより高いものはない」という警句の通り、ユーザーがいつの間にかIT巨人の「製品」になっていたとすれば、インターネット上に「フリーライダー」は存在しないのかもしれません。そんな中、世界では今、コンテントに「対価」を支払う人々が急増しています。世界に広がるサブスクリプション革命はなぜ起きているのか? その核心をレポートします。

■コンテント産業×表現するユーザー

 20世紀のメディア産業は、人々に消費を促すことで成長しました。広告がメディアビジネスを牽引し、人々は消費に邁進することになります。しかし、ネットやスマホが浸透するデジタル時代では、人々は消費以上のことを実行します。人々がテレビ漬け、広告漬けだったとすれば、それは与えられた選択肢の狭さに他ありません。

 20世紀のメディアが配信できるコンテントは、量的にも限りがありました。映画、音楽、テレビ、出版などは大手メディア企業によって占有され、一部インディーズ・メディアなどがあっても、それは希少な存在でした。米映画監督のジョージ・ルーカス氏は、2006年のインタビューで「未来の映画の秘密は量にある」と述べ、ハリウッドの大作主義に警鐘を鳴らしました(*1)。

*1 かつて映画館のスクリーンがテレビに移行したように、現在はテレビからスマホやタブレットなどのマルチスクリーン時代を迎えている。ルーカスは、ハリウッドの1本当たりの映画予算、2億ドル(約220億円)をかければ、120時間分のビデオ(映画)を50〜60本作れると語り、未来の市場はデジタル配信であり、すべてはユーザーの「選択」の自由に帰結すると予見していた。

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