「平均」や「標準」を根拠にした思考は思わぬ失敗を生む

「平均」や「標準」を根拠にした思考は思わぬ失敗を生む

「平均」や「標準」を根拠にした考え方に縛られてしまうと、いいものまで見過ごされてしまう(写真はイメージです)

■定年まで正社員として勤めあげる人は34%!?

 2017年5月に経済産業省が若手・次官レポートとして発表した「不安な個人、立ちすくむ国家」は、「結婚して、出産して、添い遂げる」、「正社員になり定年まで勤めあげる」という「昭和の標準的人生」が21世紀には一般的ではなくなったため、この標準に基づいて設計された日本の制度や価値観が現代社会のあちこちに大きなひずみをもたらしているのだとしている。しかしながら、1950年代生まれにおいても定年まで正社員として勤めあげる人は34%に過ぎなかったという。彼らの人生が標準的なのだとすると、過半数のはずの66%の人々が歩んだ人生は例外的なものだったということだろうか。そもそも、一度しかなく、それぞれにバラバラのはずの人生の“標準”とは何を意味するのか。

『平均思考は捨てなさい』は、わたしたちの思考がどれほど平均や標準に縛り付けられているか、そしてその呪縛のためにどれほど多くの可能性が見過ごされてしまっているかを人間の個性、企業による標準化、新たな教育の可能性などの多角的な視点から考える一冊だ。この本は、人生はそのどれもが本質的に個性的であり、「標準的人生」など存在せず、平均的な人生と自らの人生を比べる必要はないのだということを教えてくれる。平均思考から解き放たれ、個性に光が当てられるようになれば、わたしたち一人一人の未来はより明るいものになるだろう。

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