巨大金融の業務の大半は有害無益? なのになぜ、金融マンはリムジンや 高給を手に入れられるのか?

金融業界は今や、政治を動かし、一度揺らいでしまえば日々の暮らしを左右する存在になってしまった。世界的に尊敬を集める世界最高のエコノミストの一人であるジョン・ケイは、最新刊『金融に未来はあるか』で、他の産業とは違う特別な存在であるかのように語られる金融業界の神話を切り崩し、巨大銀行の業務の大半が社会にとっていかに有害無益であるかを解き明かす一方で、リーマン・ショック後、金融業界の肥大化を抑制するために導入された膨大な規制も逆効果だと断じ、銀行を「よそ様のお金を預かる」まっとうなサービス業に回帰させていくための全く新しい改革案を提示する。フィデューシャリー・デューティー、ガバナンス・コード、スチュワードシップ・コードなどを提唱し、日本の金融庁などにも大きな影響を与えたことでも知られるジョン・ケイのザ・エコノミスト、フィナンシャル・タイムズ、ブルームバーグでベストブック・オブ・ザ・イヤーを獲得した著作『金融に未来はあるか』からエッセンスを抜粋する。

■なぜ、金融機関は儲かっているように見えるのか?

金融街(シティ)では、連中が売ったり買ったりしている。どうしてまたそんなことを、と尋ねてみる者はいない。だが売買してさえいれば気がすむのなら、神様もお咎めだてはなさるまい、どうぞご自由に(ハンバート・ウルフの詩『天界ならざる街(シティ)』1930年)。

 ニューヨークのウォール街、あるいはロンドンの金融街シティとその拡張部分に当たるカナリーワーフの高層ビル群を通りかかる者は皆、現代の金融業の巨大さに圧倒されるだろう。

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