ギャンブル機会の誘惑に溺れる 無数の金融マンたち。その原因は?

金融業界は今や、政治を動かし、一度揺らいでしまえば日々の暮らしを左右する存在になってしまった。世界的に尊敬を集める世界最高のエコノミストの一人であるジョン・ケイは、最新刊『金融に未来はあるか』で、他の産業とは違う特別な存在であるかのように語られる金融業界の神話を切り崩し、巨大銀行の業務の大半が社会にとっていかに有害無益であるかを解き明かす一方で、リーマン・ショック後、金融業界の肥大化を抑制するために導入された膨大な規制も逆効果だと断じ、銀行を「よそ様のお金を預かる」まっとうなサービス業に回帰させていくための全く新しい改革案を提示する。フィデューシャリー・デューティー、ガバナンス・コード、スチュワードシップ・コードなどを提唱し、日本の金融庁などにも大きな影響を与えたことでも知られるジョン・ケイのザ・エコノミスト、フィナンシャル・タイムズ、ブルームバーグでベストブック・オブ・ザ・イヤーを獲得した著作『金融に未来はあるか』からエッセンスを抜粋する。

■資金、リスク、レバレッジそもそもの話

 あらゆる貯蓄、あるいは投資の決定には、資金提供とリスクの引き受けがセットになっている。

 あなたが銀行に預金するとき、銀行がそれを返してくれないリスクをあなたは引き受けている。企業に投資するときには企業に資金を提供しているわけだが、どのくらい、いつ返してもらえるのかについて、何一つ保証はない。株式を買うときには、どのくらい配当が支払われるのか、あるいは売る段になったときに株価がいくらになっているのか、どちらも定かではない。

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