エバーノートで歩んだ私の道 ――フィル・リービン氏が大学講義で語ったこと

エバーノートで歩んだ私の道 ――フィル・リービン氏が大学講義で語ったこと

元エバーノートCEOのフィル・リービン氏と、“金継ぎ”された愛用のスターウォーズ柄マグカップ

今回は、スタンフォード大学の機械工学部で、エバーノートの創業者で元CEOのフィル・リービン氏が、自らの起業とリーダシップ、後継者選びについて取り上げたケーススタディである。テクノロジー・スタートアップが急成長し、企業として成熟していく過程で起きる経営問題を見事に言い表している。

リービン氏はエバーノートを退いてから、新しいタイプのAIスタートアップ・スタジオ「All Turtles」を創設し、起業家が開発に専念できる環境を作った。All Turtlesは、サンフランシスコのほか今秋に東京、さらにパリにも設立する予定である。また、この講義でリービン氏が紹介している日本の「金継ぎ」(きんつぎ)は、割れた器を漆と金属を用いて修復する技法だが、失敗が新しい価値を生むことを意味し、リービン氏の新たな出発にも、スタートアップのあり方にも通じるものである。

(以下・講義の内容)

 日本では、家に代々伝わる大切な食器が壊れると、それは不運とは捉えられません。方法さえ知っていれば、新たな機会にもなるからです。破片を集めて「金継ぎ職人」のところへ持っていけば、大切に修理してくれます。壊れた部分が銀や金が蒔かれた漆で継がれ、食器はより優れた芸術に昇華されて戻ってきます。使われ、壊れ、修理されたということが、そのモノの重要なアイデンティティになり、当初よりもはるかに豊かで意味あるものになっているのです。

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