日本人の死生観が変化し「老衰死」が急増した理由

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■「老衰死」とは?

 聖路加国際病院の日野原重明名誉院長が7月18日に自宅で亡くなった。あと3ヵ月弱で迎える106歳の誕生日を楽しみにしていたがかなわなかった。死因は呼吸不全と報道されたが、首をひねった。加齢にともなう自然な衰え、即ち老衰死ではないだろうか。

 厚労省の人口動態調査で毎年の死者数や死因が公表されている。7月21日に発表された最新の2016年の死因統計のトップは悪性新生物(がん)。次いで心疾患、肺炎、脳血管疾患と続き第5位に老衰が入っている。

 いずれも、医師が書く死亡診断書の死因を合計したものだ。だが、老衰死だけは、他の死因と趣が違う。特定の臓器の疾患ではない。高齢者に特有の全身の細胞や組織の力が低下、劣化し死に至ることである。

 複数の臓器がほぼ同時に衰え、ひとつに特定できないと判断されれば、死亡診断書に老衰と書かれることが多い。あるいは、どの臓器にも大きな疾患がなく死亡した場合も老衰となる。医学的な定義はない。

 日野原さんは点滴や胃瘻、人工呼吸器などの延命措置を拒否し、自宅で同病院の医師の診察を受けていた。

「この1ヵ月はアイスクリームなどしか喉を通らなかった」「17日から呼び掛けに対する反応が乏しくなり、そのまま危篤状態に。同居する次男の直明さんらに見守られながら眠るような最期だったという」(読売新聞)。

「痛みも苦しみも全く訴えず、静かに眠るように亡くなった」(朝日新聞)。自然な旅立ちそのものと言えるだろう。

 実は3年前に99歳で息を引き取った私の父親も、死の2週間前ほどからほとんど食事を摂らくなった。亡くなる1ヵ月ほど前から自宅近くのグループホームに入居。普通の生活を送り、何の苦痛もなく穏やかに息を引き取った。医師の書いた死亡診断書には「老衰死」とあった。

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