考えるとは「疑ってかかる」こと

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AIがあらゆる職場に浸透する日も遠くないかもしれません。そんな時代に、私たちに何よりも必要とされるのが「自分の頭で考える力」です。ベストセラー『地頭力を鍛える』で知られる細谷功氏が、主に若い世代に向けて「自分の頭で考える」とはどういうことかについて解説した最新刊『考える練習帳』。本連載では、同書のエッセンスをベースに、「自分の頭で考える」ことの大切さとそのポイントを、複眼の視点でわかりやすく解説していきます。

■「無知の知」の次に大事な考え方とは

 前回説明した「無知の知」が「考えること憲法の前文」(基本の大前提となるもので、考えるためのすべての原点になるもの)とすれば、憲法の「第1条」となるのが、この「疑うこと」です。

 要は「自分の頭で考える」ということは、すべてのことを鵜呑みにせず、言われたことや見聞きしたことに対してすべて疑ってかかり、必ず自ら検証し、他人とは違う自分なりの見解を導き出すことです。

 先述の「前文(無知の知)」を根本的な考えとしたのは、哲学の父のソクラテスでした。

 この「第1条」で有名なのは、哲学に加えて数学という「考える」ための二大学問においていずれも大きな業績を挙げて、それらの基礎を築いたフランスのルネ・デカルトです。

 幾何学の基礎を築き、数学者としても大変有名なデカルトですが、彼の残した哲学上の業績がこのような「方法的懐疑」の浸透です。

 彼は、ありとあらゆるものを疑ってかかりましたが、最後に残った「疑いようのないこと」が、疑っている自分自身の存在でした。

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