商工中金の完全民営化が結局「旗印だけ」に終わる理由

商工中金の完全民営化が結局「旗印だけ」に終わる理由

写真は昨年6月に業務改善計画を提出した後、報道陣の取材に応じて謝罪する商工中金の安達健祐社長 Photo by Takahiro Tanoue

■区切りがついた!?「商工中金の在り方検討会」金融庁と経産省の意見対立で長引く

 危機対応融資を巡る不祥事に端を発した商工中金改革、昨年11月から始まった「商工中金の在り方検討会」における議論が1月11日の第7回会合で一応の区切りがつけられ、検討会の提言として取りまとめられた。

 この検討会、当初年内で終了の予定だったのだが、結局年をまたぐことになった。その背景としては、本件の主務官庁である金融庁と経産省の意見対立が激化し、ガバナンスとビジネスモデルの転換でお茶を濁して早期の幕引きを図ろうとする経産省に対して、特に地域の金融機関の健全な業務推進の阻害要因と目されている商工中金の、実質的な現状維持はさせまいと、金融庁が徹底抗戦の腹を決めたことがあったようである。

 そして金融庁にそう腹を決めさせたのは、立憲民主党の落合貴之衆院議員が衆院経産委員会で行った、商工中金不祥事における金融庁の果たすべき役割についての以下の質問に背中を押されたところが大きいようである。

 「金融庁に伺いたいんですけれども、金融機関を監督する立場である、ある意味、監督のプロであるわけでもあります。(中略)全件検査に準ずるような検査を危機対応融資の案件以外にもする必要があるのではないか。

 これまでも金融庁は商工中金に対して何回も何回も検査をしてきたんです。それなのに、今回発覚するまで、はっきりとこういった事例が出てこなかった。

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