米朝首脳会談でなぜ北朝鮮は無謀な要求をしたのか、元駐韓大使が解説

米朝首脳会談でなぜ北朝鮮は無謀な要求をしたのか、元駐韓大使が解説

写真:ユニフォトプレス

ベトナムの首都ハノイで行われたトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の2度目の首脳会談は、事実上の物別れに終わった。その原因は、金委員長が無謀ともいえる要求を突きつけたからだ。なぜ、そんなことになったのか、元在韓国特命全権大使の武藤正敏氏に解説してもらった。

■首脳会談開催に至った米朝の国内事情

 トランプ大統領にとって、2月27日から開かれた2回目の米朝首脳会談は、いわゆる「ロシア疑惑」をめぐるモラー特別検察官の報告書から目をそらすことを狙って開催されたといわれている。このためトランプ大統領は、多少の譲歩をしても合意をまとめたかったはずだ。

 他方、米国では、議会下院がトランプ大統領の腹心で顧問弁護士だったコーエン被告の公聴会をあえて27日にセットし、トランプ大統領が米朝首脳会談を外交的成果としようとしていることを牽制していた。そのため弱腰で合意するよりも、それを蹴ってでも帰国した方が得策と考えたとの見方がある。

 公聴会でコーエン被告は、トランプ大統領が内部告発サイト「ウィキリークス」による民主党のメール暴露計画を事前に把握していたと説明した。メールは、ロシアが選挙介入のためサイバー攻撃で盗んだとされているものだ。しかも、トランプ大統領の長男がロシアの弁護士と会う予定になっていたという話も出ており、これが事実であればロシア疑惑は重大局面を迎える。

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